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台湾の求人広告事情と企業が台湾で求人広告を出すときの注意点。変更点は?

台湾の求人広告事情と企業が台湾で求人広告を出すときの注意点。変更点は?

どーもこんにちは。

台湾マスターです。

さて、このブログを読んでいただいている読者の皆さまの中には、今台湾で仕事を探している方がいるかもしれません。あるいはすでに台湾で仕事をされている人もいるでしょう。もしかしたら台湾で会社を経営されているかもしれません。

今回はそんな方に必見の記事となります。特に台湾の会社で人事担当をされている方は必ず目を通しておいて頂きたい内容です。

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台湾の求人広告事情

台湾で求人広告を出すに当たって、企業によく利用されているのは

104人力銀行

です。

画像元:104人力銀行ホームページ

私の勤めている会社も求人広告を出す場合は104人力銀行を利用します。以前は1111人力銀行と言う会社を通じて求人広告を出していました。

画像元:1111人力銀行ホームページ

しかし、現在1111人力銀行には広告を出していません。

理由は簡単。

ほとんどの求職者が104人力銀行をメインに利用しているからです。

台湾人がよく利用するネット掲示板にもよく「104と1111とではどちらがいいか?」について熱く語られていますが、ほとんどの求職者が104を推しています。

ちなみに人力銀行とは人材紹介サイトのことです。

企業がこの人力銀行にお金を支払い、求人広告を出して人材を募集します。

ちなみに2018年12月現在の104人力銀行の求人広告掲載費用は以下となっています。

広告掲載可能日数 掲載一時停止可能日数  掲載費用(税込)
7日 380元
14日 90日 2,800元
30日 90日 4,200元
60日 90日 6,800元
90日 90日 8,400元
180日 90日 15,750元
365日 90日 31,500元

求職者側は一切お金を支払う必要はありません。

まず求職者は求人サイトに個人情報(履歴書)を登録します。

で、求人広告が掲載されている企業に自ら電子履歴書を送り、企業の採用担当者の目に留まれば、その担当者から連絡があり、面接となります。

企業側も人材サイトに登録された求職者の情報を見ることができるので、いい人材が見つかれば企業側がオファーをだすこともできます。

何れにしても、求職者も104人力銀行を利用している場合が多いですし、企業も104を利用している企業が多いため、求職者にしても、企業にしても104を利用しておけば間違い無いでしょう。台湾人だけでなく外国人も登録できるので、台湾で職を探している日本人にとっても非常にありがたいサイトです。

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日系の人材紹介会社

社会経験のある日本人で、尚且つ特殊な技能・技術があればPASONAPERSOLに自分の履歴書を送り登録します。すると先方から連絡があるので、事務所に行って面接し、自分がしたい仕事や希望の月収等を担当者に伝えます。で、マッチする仕事が見つかれば向こうから連絡がきます。

日系の人材紹介会社なので、日系企業の求人案件が多いです。ただほぼ確実に現地採用になるため、給与は日本よりも低くなります。こちらですでに仕事をしていて、転職を考えている場合は、まずPASONAやPERSOL等の人材紹介会社に登録しておくと良いオファーが来るかもしれません。

求人広告を出すときの注意点

もし読者様が経営者であったり、人事担当者であれば求人広告の件で最近変更になった点について知っておく必要があります。

それは、

月給4万元以下の人材募集については、給与レンジを記載する必要があり、応相談(中国語:面議)と記載するのはNGです。違反すれば6万~30万元の罰金を科されます。

原文:雇主招募或僱用員工,不得有提供職缺之經常性薪資未達新臺幣4萬元而未公開揭示或告知其薪資範圍之情事,違者處新臺幣6萬元以上,30萬元以下罰鍰。

この《就業服務法》第5条第2項の修正案は2018年11月9日に立法院で承認され、11月30日から施工されています。

以前は、104等の求人サイトで表示される給与については「応相談」とする企業が多く、実際の給与が記載されていませんでしたが、この修正案が可決されたことにより、給与が4万元以下の仕事については給与レンジの記載が義務付けられました。

たとえば

給与:22,000元~27,000元

このように表記しなければなりません。

じゃあ、どのくらいのレンジが妥当なのか?

22,000元~39,999元

と表記しても問題ないのか?

この点について、2018年12月7日に私自ら台湾の労働局に電話して聞いてみました。回答としては

現時点ではどのくらいのレンジを取るべきについてについての規定は特に定めてない。

とのことなので、4万元以下の求人については企業が募集する職種の給与レンジさえ記載していれば良いとのことです。

将来的には規定されるかもしれませんが、現時点では、極端に言えば22,000元~39,999元と記載しても問題はないことになります。ただ、こういう法律はちょこちょこ変更があるので常に最新の情報を調査する必要があります。

今会社で求人広告を出しているのであれば、この条例に違反していないか確認する必要がありますし、もし「応相談」として広告を出す場合は、月給4万元以上の求人となるということに注意が必要です。

終わりに

以下は直近10年の台湾における求職者数と求人数の統計になります。

       新規求職者 新規求人数
2007年 904,663 1,170,045
2008年 1,147,798 998,126
2009年 1,414,541 1,154,993
2010年 1,182,588 1,494,711
2011年 1,140,837 1,555,485
2012年 1,003,930 1,568,272
2013年 921,513 1,556,332
2014年 760,474 1,519,270
2015年 717,413 1,435,213
2016年 727,816 1,311,799
2017年 740,408 1,305,048

資料元:勞動部勞動統計查詢網

リーマンショックの起こった2008年と2009年は買い手市場ですが、ここ数年はずっと売り手市場ということがわかりますね。

2018年12月の時点でもまだまだ売り手市場ですので、企業が優秀な人材を確保するためには他企業より勝った条件を提示しないとだめな状況です。

ちなみに2018年10月時点での台湾の有効求人倍率は1.82倍です。失業率は3.75%です。

台湾においては中国企業が金に糸目をつけずにどんどん優秀な人材や新卒を引き抜いていますので、台湾企業のリクルート力が試されています。貿易戦争が勃発し、今ではファーウェイ問題も発生しましたから、今後も中国企業がイケイケで人材採用を進めていくのかは未知数です。もしかすると台湾企業のリクルート力が高まるかもしれませんね。

しかしながら、AIが発達し、企業のインダストリー4.0の導入に伴い、単純労働の求人は今後間違いなく減ります。それ以外にも台湾では外国人労働者が年々増えており、今では70万人以上台湾で働いています。2年前に比べて10万人も多くなっています。ゆえに、台湾での求人環境はますます厳しくなっていくのは確実です。

自分しかできない仕事。

ロボットやAIにとって代わられる心配がない仕事。

これに注目していかなければ生き残れないですね。

以上

台湾マスターでした。