マジメな話題から笑える小噺まで。ニッチな台湾を紹介します。

アップルショックと米中貿易戦争勃発でモロに株価に影響を受けている台湾企業。

アップルショックと米中貿易戦争勃発でモロに株価に影響を受けている台湾企業。

どーもこんにちは
台湾マスターです。

2019年が始まってしまいましたね。

こちらは1月2日から仕事してますので正月という感じが全くしません。ただ今年は4連休あったのでちょっとはゆっくりできました。

さて、巷で騒ぎになってるアップルショック、アメリカでは大変なことになってますね。

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アップルショック!!

保守的な業績予想で知られるアップルが2019年1月2日の取引終了後、2019年度第1四半期(2018年10月~12月)の業績予想を下方修正したことに端を発するこのアップルショック。

直近20年で初めて下方修正したとのことで、米国市場は混乱に陥り2019年1月3日のダウジョーンズは660ドル安となりました。

で、本日1月4日から日本でも取引が始まりましたが、このアップルショックの影響からか、一時は日経平均の下げ幅が770円を超えたりしましたが、最終的には452円安となりましたね。

最後の最後でビュン!!

って伸びたことから、GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)、いわゆる「クジラ」が動いたのではないかとされていますが、何はともあれ、下げ幅が1000円を超えなくてよかったです。

アップルショックと台湾経済

さて、このブログでは何回も

アップルが咳をすれば台湾経済は風邪をひく。

という格言を紹介していますが、

2019年1月4日現在、台湾経済はとっくに風邪ひいちゃってます。

2018年10月から風邪をひいて、今も治っておらず、肺炎をこじらすのではないかと心配になるくらいです。

今日も加権指数は前日比109.91ポイントのマイナスでした。

画像元:台湾Yahoo!

正月の連休明けから3営業日で約345ポイントも下落しています。

アップルが中華圏での売り上げが芳しくないと発表しているので、米中貿易戦争の影響が鮮明になってきていることの証明ですね。

アップル業績下方修正発表後の昨日1月3日、加権指数は約60ポイントほどしか下落しなかったため、アップルが正式に認めたことで悪材料が出尽くし、今日くらいから台湾株は反発するかな~っと思って観察していましたが、やはり反発するほどの元気はなかったようです。

ちなみに「悪材料出尽くし」を中国語では

利空出盡(li4kong1chu1jin4)

といいます。

逆に、「材料出尽くし」

利多出盡(li4duo1chu1jin4)

といいます。

まあ、経済や金融等のビジネスで使う機会がある単語ですが、普段の生活で使うことはほぼないですから、頭の片隅にでも入れておいていただければと思います。

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アップルショックでモロに株価に影響を受けている台湾企業

先ほど紹介したように、台湾経済は中国経済とアップルに大きく依存していますのでアップルがコケて、そして中国経済が失速すると大変なことになります。

そういう意味で、米中貿易戦争勃発による台湾経済への影響は計り知れません。

もちろん、アメリカやそれに追随する国の企業が中国企業へ出していた注文を台湾企業がかっさらえる大チャンスとの見方もありますが、メリットよりもデメリットの方が多いのが現実です。

では実際にこのアップルショックでものすごい影響を受けている企業はどこでしょうかね?

鴻海(ホンハイ)/証券コード:2317

多くの日本人になじみのあるシャープの親会社である鴻海精密がモロに影響を受けていますね。ちょっと下のチャートを見てください。

画像元:台湾Yahoo!

2017年10月を境にものすごい勢いで下げています。本日2019年1月4日の取引中、実に7年3ヵ月ぶりの安値を付けました。

ご存知の通り、鴻海精密はアップルと強い結びつきがあるiPhoneを組み立てているEMS企業ですが、貿易戦争激化とiPhoneXR等のアップル製品新作の不振が影響し、株価は悲惨な状態です。

今が買いと考える節もありますが、このままジリジリ1株45元ほどまで下がるのではないかと予想している人もいます。

怖いですね。

台積電(TSMC)/証券コード:2330

泣く子も黙るファウンドリ優良企業TSMC。日経新聞アジア欄に良く出てくる台湾を代表する企業ですが、如何せん、

得意先が業績下方修正のアップルと米中貿易戦争渦中にあるファーウェイ(華為)

なので、当然ながら株価下落中です。

画像元:台湾Yahoo!

毎年莫大な設備投資を行い、ファウンドリのパイオニアであり絶対的存在でもあるのですが、1年半前の株価に逆戻りしてしまいました。

超優良企業であることに変わりはないので、このままずーと下げ続けることは考えられないですが、外資がず~っと売りまくってるので、いつ反発するのか全く読めませんね。

ちなみに本日外資は28,541張(1張=1,000株)の売り越しです。昨年2018年10月11日に発生した記録的大暴落時に次ぐ売り越しとなっています。

大立光(ラーガン・プレシジョン)/証券コード:3008

スマホ用光学レンズを製造するラーガン。製造業にも関わらず営業利益率が60%程もある化け物企業です。iPhoneのレンズもファーウェイのスマホレンズもラーガンが供給しています。

画像元:台湾Yahoo!

一時、株価が6,000元を超え、単元株数(1張=1,000株)を買うのに600万元(約2,100万円)も必要とする金持ちや機関投資家しか買えないような株でしたが、本日2019年1月4日、3,000元を割り、2,905元の終値となっています。

レンズの枚数が増え、尚且つ今ではダブルレンズが主流となっていますので、ラーガンにとっては追い風となっているはずと思いきや、昨年2018年8月を境に、下降トレンドとなっています。もっとも、2018年11月の売上高が前年同期比約30%減ですからね。今後の業績に疑問が残るのも無理ないです。

ただ、トリプルレンズ搭載のスマホが増えるとなると、ラーガンにとっては商機となりますので、今後の業績に期待できるとする筋もあります。

いずれにしても私は購入したくても資金的に購入できません。

可成(キャッチャーテクノロジー)/証券コード:2474

キャッチャーテクノロジーはiPhoneやMacbook等の金属筐体を製造する大手企業です。報道によると売上高の70%がアップル関連製品で、ほぼ100%コンシューマー製品の筐体を手掛ける企業なので

アップルがコケる=キャッチャーテクノロジーもコケる

という数式が見事に成り立ってしまいます。ということなので、株価も全く持って冴えません。

画像元:台湾Yahoo!

2018年9月を境にものすごい勢いで下がり続けています。

金属筐体製造の分野では革新的な製造方法が生まれにくい環境であり、今後ライバル企業鎧勝-ケーステック/5264)の台頭によって価格競争にさらされ、利益率が下がると予想されているのでこんな無残な姿になっているわけですが、決して悪い会社ではないので、是非頑張ってもらいたいですね。

終わりに

上で紹介した4社がモロにアップルショックのあおりを受けている企業となり、いま台湾経済をにぎわせております。まあ、この4社は台湾を代表する企業でもあるので、これらの企業の株価が下落すると加権指数も大きく下落する要因となります。

アップルショックは少なくとも2019年3月までは続くと予想されていますが、今後革新的な新製品が発表されず、また米中貿易戦争も解決しなければ、もっと深刻な事態に陥ること必至です。

ここを買うと見るべきか、はたまた静観すべきか、非常に悩ましいですね。

以上

台湾マスターでした。