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超簡単にマイクロLEDを説明します。台湾との関連性は?

超簡単にマイクロLEDを説明します。台湾との関連性は?

ど~も~!

今日も元気な台湾マスターです。

さてさて、今回は話題の新技術について語ろうと思います。

それは「マイクロLED(Micro LED)」です。

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LEDって何?

マイクロLEDは聞いたことがないかと思いますが、LEDは聞いたことがありますよね。発光ダイオードのことです。身近なところでいうと街灯であったり家の照明であったり、駅舎内の看板であったり、いろいろな場所で使用・応用されていますね。

低消費電力と長寿命が最大のメリットです。

日亜化学との訴訟で話題になったノーベル物理学賞受賞者の中村修二さんは青色発光ダイオードを発明した人物ですね。LEDは今となっては生活に欠かせない素晴らしい技術です。

マイクロLEDとは?

マイクロLEDとは読んで字のごとく、ものすごーく小さいLEDのことです。発光する部分が100ミクロン(=0.1mm)以下のサイズです。

中学の時に習った微生物でたとえると、だいたい「ミカヅキモやゾウリムシ」と同じくらいの大きさになりますね。

※写真はただの微生物です。

超ちっさいLEDです。

なぜマイクロLEDが注目されている?

様々な色を表現するにはどうすればいいでしょうか?答えは簡単です。美術の授業で習ったこともあるかもしれませんが、基本的に「赤」「緑」「青」この3つの原色が揃えばどんな色でも表現できるようになるんですね。これをRGBカラーモデルといいます。

RはRedGはGreenBはBlueです。

引用元:価格.comマガジン「4K対応の50V型が5万円台! ドン・キホーテの格安4K液晶テレビを試した。」

上の図は液晶画面をマクロ撮影したものです。皆さんがいま見てる画面が液晶であれば、目を凝らしてよーく見てみてください。ちっちゃい赤緑青のドットが見えるはずです。

マイクロLEDというのは、このちっちゃい赤緑青のドットがそえぞれ独立したLEDになったものと考えていいです。

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マイクロLEDと液晶との違い

従来の液晶は基本的に下の図のようにLEDをバックライトとして使用していました。

でもこれだとすべての色が白色LEDバックライトに照射されるので、「黒」も明るい「黒」になっちゃうんですね。

それがバックライトの液晶のデメリットと言われています。

ではマイクロLEDはどうかというと、

液晶と同様にこの赤緑青それぞれのちっちゃいLEDを敷き詰めれば、さまざまな色を表現できる画面になります。しかもそれぞれ独立して発光するので、黒色も本当の黒になります。バックに発光源がないからですね。

わかりやすく説明すると、従来型の白色LEDをバックライトとして使用する液晶は「月」で、マイクロLEDは「太陽」です。

液晶の「月」とマイクロLEDの「太陽」

夜を照らす月、綺麗ですよね。晴れた日のフルムーンは非常にロマンチックです。ちょっと話がそれてしまいましたが、ここで質問。

なぜ月は夜を照らせるのでしょうか?

小学生で習いましたね。そうです、

太陽の光を反射してるからです。月が自ら発光しているわけではありません。従来の液晶も決してそれ自体が発光しているわけではなく、バックライトが必要です。

バックライトがあるからこそ人間の目で見える色となるのです。

ではマイクロLEDはどうですか?

マイクロLEDは従来の液晶とは違い、「太陽」のように自発光しています。

自発光ということなので当然バックライトを必要としません。

マイクロLEDのメリット

・バックライトがないので、薄くできる

・有機EL(OLED)よりも発色が良く尚且つ輝度が高い

・低消費電力

・長寿命

・有機EL特有の焼き付きが起こらない

・圧倒的高画質

マイクロLEDのデメリット

・現時点で圧倒的高コスト=歩留まりが悪い。

以上です。

なので、開発スピードがより今後一層早まり、量産技術が確保され尚且つ5年以内に様々な大きさのマイクロLEDディスプレイを量産できるようになれば、有機EL(OLED)をすっ飛ばしてディスプレイの主流になると言われています。

まさに夢の技術なんですね。マイクロLEDは。

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マイクロLEDの市場規模

市場調査で有名なトレンドフォース社の情報によると、300億〜400億USドルの潜在的な需要があるとのことでした。

マイクロLED技術の今

こういう状況であるため、世界のメーカーが莫大な投資をしてマイクロLEDを開発しています。2012年には世界に先がけSONYがマイクロLEDを搭載したテレビを発表しましたね。民生用テレビとして発売はされませんでしたが、55型のフルHDのわりには圧倒的な画質と迫力で世界を驚かせました。

そして2018年1月開催のCESで韓国のサムスンは「The Wall」というマイクロLEDのテレビを発表しました。これもまだまだ民生用テレビとして発売されることはないと思いますが、これを発表したということは、有機EL最王手のサムスンも本気でマイクロLEDを開発しているんだと世界にアピールし、他ブランドを牽制している証拠ですね。

マイクロLEDと台湾

台湾とマイクロLEDは実は深〜い関係があります。日本でもニュースになっていますが、台湾のEMS世界最大手のホンハイとシャープはアメリカのマイクロLEDディスプレー開発会社「eLux」に共同で投資しています。

台湾にはLEDエピタキシャルウエハーチップ大手のエピスター(晶元光電)や同じく大手の隆達(レクスター)、そして液晶パネル製造大手のAUO、イノラックスなどが積極的にマイクロLEDの開発を行なっていますね。

マイクロLEDとアップル

「必見!注目の産業エリア。アップルとの関係は?」でも書きましたが、アップルもマイクロLEDの開発には莫大な投資をしています。

しかもマイクロLEDの開発拠点は台湾にあるのではないかとも噂されています。上にリンクした記事にも書きましたが、アップルの台湾開発拠点(龍潭サイエンスパーク)の周辺にはそれこそマイクロLEDを開発している企業が入居しています。

おそらく、3年以内にマイクロLEDを搭載したApple Watchが発売され、その2年後くらいには新型iPhoneにマイクロLEDを搭載するのではないかと読んでいます。

なぜApple Watchなのかというと、まずディスプレイが小さいので技術的ハードルが低いからです。そして時計は屋外での視認性が大事ですが、その点でマイクロLEDは液晶や有機ELに比べて輝度が圧倒的に高く、視認性がいいからですね。

なので、確実にApple Watchにまず搭載されるはずです。

マイクロLEDと台湾株

もうこれはドリームジャンボと化してますね。マイクロLED技術が量産化され世界に普及し始めると、LED使用量が大幅に増えるので、関連企業はがっぽり儲かります。

しかも技術的に量産化が難しいので、もし先に量産化に成功すれば、今の有機ELのサムスンやLGと同じく寡占状態となり、莫大な利益を産むことができます。

そのような状況なので、上で紹介したLEDエピタキシャルウエハーチップ大手のエピスター(晶元光電)や隆達(レクスター)の株が去年から急上昇してるんですね。もうそれは恐ろしい上げ幅でした。

2018年に入ってからはマイクロLEDブームがひと段落したのと、世界的株価大暴落の影響で株価が下がっていますが、隆達(レクスター)に至っては現在、PER(株価収益率)が84倍と大変な期待が寄せられています。

是非とも台湾企業にも頑張ってもらいたいものです。

まとめ

マイクロLEDの量産化はまだまだ遠い先のような気もしなくはないですが、何れにしても夢のディスプレイであり、世界を変える可能性が秘められているので、大いに期待したいですね。

では、今回はここまで。

台湾マスターでした。

 

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