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台湾株暴落中。半導体産業に黄色信号?目標株価は?

台湾株暴落中。半導体産業に黄色信号?目標株価は?

ど~もこんにちは。

台湾マスターです。

しかしアメリカ経済は本当に好調ですね~。アメリカ1強といっても過言ではないくらいの勢いですね。ダウ平均株価は最高値を更新しています。

日本も先日、株価がバブル崩壊後の高値を更新しましたね。

アメリカや日本は順調に推移していますが、台湾株はここ数日大暴落しています。

加権指数はここ5日間で600ポイント程一気に下落しています。

画像元:Goodinfo!

2018年2月に世界的な大暴落がありましたが、それに匹敵するくらいのインパクトです。

特に、半導体関連株が軒並み値を下げており、恐慌の様相を呈しているといっても過言ではありません。

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半導体関連に黄色信号?

先月に「台湾で株を始めてからの感想。経済通になれた?台湾株の特徴は?」という記事でも書きましたが、台湾はハイテク産業が多いため、産業の構造上アメリカのナスダックやフィラデルフィア半導体指数の影響をもろに受けます。

で、

2018年9月に入ってから、フィラデルフィア半導体指数は冴えません。

理由:レイモンド・ジェームスやスティーフル・ニコラス、モルガン・スタンレー、ゴールドマン・サックス等のアナリストが半導体産業が在庫推移や製品単価の下落状況から見て下降局面に入ったとレポートしているからです。

これを受けて、外資系証券はレポートにおいて台湾半導体関連株の目標株価を下げました。

台湾の半導体関連株の目標株価

2018年10月8日現時点で「BUY」とされているのが以下です。

TSMC(台積電/2330)目標株価:300元→300元

GUC(創意/3443)目標株価:530元→480元

シラジー(矽力-KY/6425)目標株価:1000元→900元

ACX(璟德/3152)目標株価:560元→327元

レーティングは「BUY」ではありますが、TSMC以外は目標株価が引き下げられています。

次に「SELL」とされた企業は以下です。

マクロニクス(旺宏/2337)目標株価:46元→21元

グローバルウェーハズ(環球晶/6488)目標株価:289元→242元

FST(台勝科/3532)目標株価:144元→112元

KYEC(京元電子/2449)目標株価:30元→16元

リアルテック(瑞昱/2379):166元→106元

その他、目標株価が引き下げられている企業。

UMC(聯電/2303)目標株価:18元→14.4元

VIS(世界先進/5347)目標株価:78元→64元

ASE(日月光投控/3711)目標株価:→83元→78元

上記企業の業績やチャートについて調査したい場合は以下の記事をご参照下さい。

台湾株の個別銘柄を調査!業績・証券コード・信用取引・配当など。

NAND型フラッシュメモリーやDRAM等の半導体メモリは昨年から今年にかけて供給不足に陥り、単価も高値で推移していましたが今になって落ち着きを取り戻しており、在庫過多と価格の下落が懸念されています。また韓国のSKハイニックス社の新工場が2018年10月に完成し、新たにNAND型フラッシュメモリの製造を開始することから、台湾の半導体メモリ関連企業の株価がかなり下がっています。

例えばフラッシュメモリ製造のマクロニクス(旺宏)。NINTENDOスイッチに部品を供給し始めて一時期株価が一気に上がりましたが・・・・

画像元:Goodinfo!

8月以降ダダ下がりです。

サムスンはメモリー価格の下落を抑えるためにメモリー関連の設備投資遅らせ、生産量を故意に下げて供給過多にならないよう調整するとの情報が流れています。

どうなるかわかりませんが、雲行きが怪しいのは確かです。

そして、個人的に大注目のカニさんマークのリアルテック。

画像元:リアルテックホームページ

2018年9月の売上高が過去最高を記録しています。また、今後は車載イーサネット用SoCの出荷を控え爆発的な成長が期待されている半導体設計企業です。

が、

今月に入って外資系金融機関である「UBS」が車載用SoCの導入が思った以上に進まないと予測し、またインテル製CPUの供給不足を背景にPC出荷が予想より下回るとの予測で、PC向けチップの出荷が全体の35%を占めるリアルテックの目標株価を102元としました。

すると、

一瞬にして株価が20%下落するというなんとも悲惨な結果になっています。

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泣く子も黙る超優良企業、TSMC。レーティングも「BUY」で目標株価も300元で据え置きにも関わらず、やはり10月以降大幅に下げています。回路線幅7ナノの量産においてはGF(グローバルファウンドリーズ)を蹴散らし、今後とも優位であり続けるはずであるにも関わらずです。

画像元:Goodinfo!

なぜにこんなに値下がりするんでしょうかね?

実はこれは単に半導体関連のレーティングが下がったというよりはむしろ、他にも原因がありそうです。

その原因とは何でしょうかね?

台湾株が暴落している理由

よく言われている理由は

アメリカの利上げによって投資資金が株式から債権にシフトしているから

です。

リスクの高い株式を所有するよりも安定の債権を買ったほうが利率もいいし徳ですからね。そりゃ新興国の株式市場から資金が債権へシフトするはずです。

そして、もう一つの理由。

これは説明の必要もないですが米中貿易戦争の激化です。

多くの台湾企業が中国本土に工場を構えています。特にホンハイやペガトロン、ウィストロンなどのEMS企業は中国にて電化製品やスマートホン等を製造していますから、今後それらの製品にも関税がかけられた場合、台湾企業は大打撃を受けます。

そして、最近になって台湾で話題になっているのが。。

2018年11月に米軍が台湾海峡で軍事訓練をする予定があるらしい。

という事です。

米国としては中国を牽制するのが1番の目的ですが、万が一軍事衝突に発展した場合、真っ先に影響を受けるのが台湾です。

一部の投資家は台湾海峡での軍事演習が確定すれば加権指数が2,000ポイント下がるとまで危惧しています。

それくらいインパクトの大きなイベントが起ころうとしているんです!!

そうなるとやはりリスクオフで資金が株式から債権等へとシフトしますよね。

終わりに

とりあえず、11月の軍事演習の動向が確定するまでは台湾株や半導体関連株の下落が続くのではないかと考えています。

加権指数が10,000ポイントを割ることはないとは思いますが、設備投資の動向や世界経済、特に中国株価の推移からすると、今年が景気のピークと見ているアナリストがたくさんいますので、今は静観しているのがベストだと思います。

以上

台湾マスターでした。

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