テスラに部品を供給している台湾企業。これからは電気自動車(EV)でしょ。
どーもこんにちは。
台湾マスターです。
さて、お騒がせ企業として確固たる地位を築いている米大手電気自動車メーカーのテスラ、というか
本当にお騒がせなのはその創業者の一人であるイーロン・マスク氏に他ならないんですがね。
エイプリルフールでテスラの破綻をツイートしたり、株式の非公開化をツイートしたり、まあ、かなりぶっとんでるエキセントリックな人物ですが
稀代の天才でありカリスマ
です。
そんな経済ニュースを毎日賑わしているテスラですが、直近の2018年第3四半期(7~9月)決算でようやく黒字転換しました。しかし2019年1月18日に従業員7%のリストラを実施すると発表し、株価が12.97%下落するという、株価の乱高下の激しい企業です。
さて、日本でテスラと深い関わりのある企業と言えばパナソニックですよね。車載用電池を供給しています。
台湾にもテスラに部品を供給している企業が多数存在しますが、今回はそのうちの6社をご紹介いたします。
その6社とは
和大工業/HOTA(証券コード:1536)
江申工業/KIAN SHEN(証券コード:1536)
和勤精機/CFTC(証券コード:1586)
世德工業/Sumeeko(証券コード:2066)
貿聯/BizLink(証券コード:3665)
聯嘉/EOI(証券コード:6288)
では、1つ1つ見ていきましょう!
この記事に注目!!
和大工業/HOTA(証券コード:1536)
2018年の売上高:7,146,746,000元(約250億円)
→前年比6.4%増
和大工業は台湾最大の自動車向けトランスミッション関連部品を製造する企業です。世界的に見てもこの分野でTOP10に入るほどの実力のある企業です。
テスラへはギヤボックス(減速機)を供給しています。
画像元:和大工業ホームページ
Model S、Model X、Model 3に加え、今年はModel 3のコンパクトSUV版Model Yも発売されることから、このModel Yにもギヤボックスの供給を行うと予想されており、30%の需要増を見込んでいます。
また、2019年1月にテスラが中国・上海にも工場建設を始め、年末にはModel 3の生産を目指すとのことから、その近郊の「無錫(むしゃく)」に位置する自社工場に生産ラインを設け、現地から部品を供給する計画もあります。テスラにべったりの企業ですね。
2020年には100億元(350億円)の売上高を目指すとしています。
江申工業/KIAN SHEN(証券コード:1536)
2018年の売上高:1,337,755,000元(約47億円)
→前年比14.6%増
江申工業はバスや自動車用のフレームを製造する企業で、台湾の自動車製造大手の「裕隆グループ」の一員です。
ホームページを見ると主要顧客は以下となっています。
画像元:江申工業ホームページ
テスラへは投資している廣州恩梯恩裕隆傳動系統有限公司[Guangzhou NTN-Yulon Drivetrain Co., Ltd.]を通じ部品を供給しています。
テスラへは等速ジョイントを供給しています。
画像元:NTNホームページ
2019年には アメリカ向けの受注額が人民元6,000万元(9億6千万円)になると予想されています。
和勤精機/CFTC(証券コード:1586)
2018年の売上高:2,451,530,000元(約86億円)
→前年比10.05%増
和勤精機は精密プレス部品製造メーカーです。2018年上半期では自動車関連部品が売上の約58%、ハードディスク関連部品は約36%となっています。
製造するハードディスクのVCMプレートはSeagateとWDに採用されており、東芝からの受注も狙っていると報道されています。
画像元:和勤精機ホームページ
自動車関連部品においてはトランスミッション、ドアロック、発動機、ブレーキシステムで使用される部品も製造しており、VWグループのTier1(一次サプライヤー)でもあります。
テスラへは機構部品を供給しています。
どこの部位の機構部品かについては調査しましたがわかりませんでした。
最近では中国に積極的進出しており、中国市場をメインに販路を拡大させ、今後は東南アジアにも展開していくとのことです。
世德工業/Sumeeko(証券コード:2066)
2018年の売上高:1,974,035,000元(約69億円)
→前年比47.65%増
世徳工業はボルトやナット等の締結部品製造メーカーです。
画像元:世徳工業ホームページ
世徳工業は2018年にドイツの自動車締結部品メーカー、MAX MOTHES GmbH(MMG)の株式51%を取得しました。MMGはBMWやベンツ、フォルクスワーゲンにも部品を供給する創業100年を超える老舗です。風力発電や農業用機械の部品も製造しています。
7月からMMGの売上高も世徳工業の連結決算に組み込まれたため、売上高が飛躍的に伸びています。
テスラには締結部品を供給しています。
今後は買収したMMGの販路を有効に利用し、顧客獲得を目指す戦略をとるとのことです。
貿聯/BizLink(証券コード:3665)
2018年の売上高:21,350,847,000元(約750億円)
→前年比37.48%増
貿聯は医療・自動車・太陽光発電・半導体設備向けのワイヤハーネス、変換アダプタ、ケーブルアセンブリ、コネクタ、モジュール等を製造しています。
アメリカに本社機能を置く企業です。
アメリカ、中国、マレーシア、メキシコ、スロヴァキア、セルビアに生産拠点を設けています。
テスラにはワイヤーハーネスを供給しています。
画像元:貿聯ホームページ
テスラといえば貿聯!
というくらい頻繁に台湾の経済ニュースにでてくる企業であり、テスラの株価が下がれば貿聯の株価もが下がる、逆もまた然りと、テスラ関連のニュースに大きく左右される企業です。
貿聯の社長や幹部は「マスクさん勘弁してくれよ。ツイッターやめてくれよ」と思っているはずです。
聯嘉/EOI(証券コード:6288)
2018年の売上高:3,387,837,000元(約119億円)
→前年比28.53%増
画像元:聯嘉ホームページ
聯嘉はLEDライトの製造メーカーで、車用LEDライトも生産しています。
一般的なLEDライトメーカーとは異なり、車用については中国がメインマーケットではなく、売上高の76%は北米向けです。
主要顧客はFlex N Gate、Hella、Magnaの三社でこれらのメーカーを通して各自動車メーカーにライトが納品されています。
会社の方針はTier 2(二次サプライヤー)やTier 3(三次サプライヤー)を目指すものであり、直接自動車メーカーに完成品を納入することはないとしています。
テスラにはLEDのハイマウントストップランプを供給しています。
また、フォードのF-150のテールランプにも聯嘉のLEDライトが採用されています。
終わりに
大手電気自動車メーカーであるテスラ。いろんな話題を振りまいてくれている企業ですが、実は台湾メーカーも深い関わりがあるんですよね。上記6社以外にもサプライヤーが存在します。
ガソリンエンジンの次は、電気自動車が既定路線になっている今、日本メーカーも積極的に電気自動車の開発を行なっていると思います。
ポルシェもEVスポーツカーのタイカンを出しますし、ボルボも今年から全車種電動化を目標に掲げています。
自動車大国である日本はこの点ではガラパゴス化せずに、トレンドに沿った開発をしてもらい、競争力を高めてもらいたいですね。
以上
台湾マスターでした。
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