今アツい設備投資関連株!なぜ注目されているのか?
どーも!
最近毎日ジムで運動してます。
シックスパックを目指してる台湾マスターです。
さて、今日ご紹介するのは台湾の株式市場で今注目されている株です。
それは、設備投資関連株です。
設備投資関連株が注目されている理由
設備投資関連株が注目されているとはどういうことでしょうか?
好景気だということです。
実は、すでに2017年から設備投資関連株は注目されており、昨年の世界株価上昇とともに大きく株価をあげています。特に2017年5月以降、半導体やプリント基板製造業各社の売上高が過去最高を更新し続けており、今年ももちろん注目されています。
景気循環サイクルを簡単に説明すると、
製造業の業績が上がりだす
↓
需要に応えるために生産体制を強化する
↓
生産体制を強化しても供給が追い付かない
↓
新規設備を導入し供給量を増やす(設備投資)
↓
好景気
↓
供給量が安定しだす
↓
供給過剰となり在庫を抱える。
↓
利益が圧迫される
↓
積極的に設備投資しない
↓
不景気
というサイクルになります。
なので、設備投資関連企業の業績が上がるということは景気が好転している証拠です。
逆に、企業が設備投資を渋りだす=景気が悪くなりだすサインといえます。
なぜ今、設備投資関連株が好調に推移してる?
1.半導体とプリント基板の需要の高まり
設備といってもいろいろな設備がありますが、今好調に推移しているのは半導体とプリント基板関連設備です。
半導体にしてもプリント基板にしても、どちらも昔からある産業なのに、なぜ半導体とプリント基板業界が活況なのでしょうか?
それは以前にも増して半導体とプリント基板の需要があるからです。
以前はコンシューマー(民生品)の分野ではデスクトップPCやノートPCなどでしか使用されていなかった半導体が、今やスマホ、タブレット、スマートウォッチなど、ありとあらゆる電子機器に使用されていますね。今後もその傾向は変わらないですし、どんどん使用範囲が広がります。減ることはありまえん。で、半導体を実装するにはプリント基板が必要です。半導体とプリント基板は切っても切れない関係なのです。そういう訳で、半導体とプリント基板業界については好景気が続いております。
しかも半導体産業は技術革新が激しいため、新規設備投資をしてなんぼの世界です。
なぜ日本の半導体業界が衰退したのでしょうか?
原因の一つは巨額の設備投資ができなくなったからです。
例えば泣く子も黙る半導体製造のTSMC(台積電)。
2018年の設備投資額は110億米ドル程(1兆1000億円)と予想されています。
ちなみに隣国の韓国サムスンは2017年に260億米ドル(2兆6000億円)の設備投資を実施したとの報告が出ています。
こんな莫大な資金を投入できる企業は日本にはありません。
このように、半導体産業で生き残るには毎年巨額の設備投資が必要であるため、半導体そしてプリント基板関連の設備業者はそれに伴い好調が続いています。
2.インダストリー4.0の導入
もう一つ見逃せないのが、「台湾の靴産業がすごい!あの有名スポーツブランドと関係あるの?」の記事でも紹介しましたが、
インダストリー4.0の導入が製造業で進んでいるからです。
簡単に言うと設備すべてをネットにつなぎ(IoT)、ビッグデータを収集したうえで最も効率よく生産できる体制を「AI(人工知能)」によって導き出し自動で生産を行うようにする改革です。
簡単にいうと生産の自動化ですね。
もちろん、こんな先進的なこと古い設備ではできないですよね?なので、古い設備を淘汰あるいは改造したり、新規設備を導入する企業が増えてきています。
設備だけが新しくなるだけではインダストリー4.0は導入できないので、設備をコントロールするソフトやシステムの構築が必須になりますが、このソリューションを手掛ける企業も好調に推移しています。
例えば台湾には致茂(Chroma)というソリューションを手掛ける企業がありますが、このインダストリー4.0の高まりを受け、業績が向上し、1年で株価が2倍以上になっています。
3.中国企業の台頭
現在、中国では国を挙げて半導体産業の育成や投資を活発に行っています。今年、半導体産業への投資規模は
3兆円と言われています。
中国が本気出すと、大変なことになるのはもう皆さんご存知ですよね。「あなたに知ってもらいたい将来の事」の記事でも言いましたが、優秀な人材をどんどん引き抜いていきます。前述した世界のTSMCの元共同執行長の蔣尚義さんは2016年から中国の中芯国際(SMIC)というファウンドリで役員をしています。そして同じくTSMCの研究開発処長であった梁孟松さんもSMICにて聯合主席執行官という役職についています。
中国政府はハイテク産業へのシフトを明確に宣言してますから、今後もどんどん優秀な人材を引き抜き、豊富な資金力をバックに半導体産業やその他において世界をリードする存在になる可能性が大いにあります。
で、中国にはすでに台湾系の設備投資関連企業が多数進出しており、現時点では中国ローカルの設備企業にはまだ真似できない「付加価値のある設備」を中国企業向けに卸しているので、台湾系の設備投資関連企業もこの設備増強の波に乗り、中国で大いに業績を伸ばしています。
以上の3つが、設備投資関連株が台湾において好調に推移している理由となります。
今注目の設備投資関連株
現在台湾において注目されているのは
上銀(ハイウィン)という企業です。
2017年1月の株価は150台湾ドル程度でしたが、4月13日の終値は505台湾ドルとなっています。
1年ちょっとで約3.4倍になっています。
この企業、工作機械向けの部品を製造しています。厳密にいうと設備投資関連企業の川上である部品供給の企業です。「リニアガイドウェイ」であったり、「リニアベアリング」であったり「ボールねじ」であったり、いろんな工作機械向けの部品を供給している企業なんですね。
これを読んで「ピン」と来た方は相当な情報通です。そうです、日刊工業新聞2017年12月27日に「工作機械「納期1年」も。背景に深刻な部品不足あり」という記事がありましたよね。これに関連する企業がまさに「上銀(ハイウィン)」なのです!!
実際、台湾でも切削機械や他の設備で使用する部品が供給不足となっており、部品納期が少なくとも半年以上という情報が出回っています。
この企業の業績がうなぎ上りであるということは、景気が上向いている証拠です。
あと、半導体関連や液晶パネル製造関連の設備を供給している「志聖」、プリント基板設備の「大量科技」も業績が中国の設備投資熱にあやかり、2017年5月以降好調に推移しています。投資アナリストの見解では、2017年に続き、2018年も好調に推移すると言われています。
ただ、「大量科技」の場合は、上述の通り「上銀(ハイウィン)」等部品サプライヤーの供給不足の影響で、注文は入るが生産が追い付かなく(生産ができない)長納期になっており「部品不足」の問題が解決しない限りボトルネックを解消できないとも言われています。
企業としては悩ましいところですね。
まとめ
景気の影響をまともに受ける設備投資関連企業ですが、今台湾では半導体やプリント基板、そして自動化に関連した設備投資関連株が引き続き上昇傾向にあります。
今後とくに大きな問題が発生しなければまだまだ成長する分野だとは思いますが、ここ最近ではシリアの政治情勢であったり、隣国の問題であったり地政学リスクがくすぶっていますので、いつ不況に転じるかはわかりませんね。
まあ、元来株式投資というのはそういうリスクを取りながら行うものなので、十分にそのリスクを考量した上で運用するようにしましょう。
以上
台湾マスターでした。
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