海外で仕事する際の心構え。海外在留邦人数は?成功の秘訣は?
どーもこんにちは。
寝不足気味の台湾マスターです。
2018年のワールドカップの日本対ベルギー戦、白熱した戦いでしたね。どちらも気迫あふれるプレーで近年まれにみる好勝負でした。
さて、今回のW杯は強豪国もグループリーグで敗れたり、ベスト16で散ったりしてるので、格下と思われていた国と強豪国との差がどんどん縮まってきていますね。
これはひとえに母国から出て海外のトップリーグでプレーする選手が増えているからです。
日本やアジアの場合は特にそうですが、やはり母国から出て海外チームに所属し、海外の生活やプレースタイルに慣れた選手がここ10年で増えてますから、それが大きく影響しているはずです。実際、今回の代表のスタメンも昌子源選手以外は全員海外所属ですから、必然的に海外での経験が大きく生かされているはずです。これは多くの解説者や専門家が述べていますね。
サッカー等のスポーツ以外でも、仕事で海外に行く人が増えています。出張ベースであったり、駐在であったり、現地採用であったり、形は様々ですが、海外生活者は増えています。今後も確実に増えていきます。
皆さんもいま、海外で働こうと考えているかもしれません。
では、海外で気持ちよくストレスフリーに働き、尚且つ成功するにはどうすればいいんでしょうかね?
まず海外で生活する日本人がどれくらいいるのか、またその推移を見てみましょう。
海外在留邦人数について
さきほど、海外で生活する日本人が増えているといいましたが、では本当に増えているのか?データをもとに検証してみましょう。まず下のグラフを見て下さい。
画像元:外務省海外在留邦人数調査統計統計表一覧
これを見るとよくわかりますが、海外生活者が年々増えていますね。平成29年(2017年)10月1日現在、1,351,970のもの人が海外で生活しています。30年前(平成元年)と比べて2.3倍もの日本人が海外で生活しています。
では海外在留邦人上位7カ国の推移を見てみましょう。
画像元:外務省海外在留邦人数調査統計統計表一覧
アメリカは一貫して増加傾向にあるのがわかりますね。アメリカンドリームを掴みに行く人が今でも多いんでしょうか。
そして、この中で一番興味深かったのが、中国は平成24年(2012年)を境に減少傾向にあることです。
反日や政策の影響で日本企業の中国撤退が進んでいるのでしょうか?それ以外にも昨今中国の人件費高騰が原因で工場を中国から東南アジアに移転している日本企業も増えてきていますからね。駐在員が減っているのかもしれません。この辺りはまたの機会にリサーチします。
その他興味深い点としては、オーストラリアとタイの在留邦人数が右肩上がりで増えています。タイは産業も発展し日本企業も多く進出してますし、リタイア後に移民する人も多いと聞きますから増加傾向にあるのはわかります。が、オーストラリアなんかこれといった産業もなく物価が高くて大変なのに、なぜ増えているんでしょうか?ワーホリでの滞在者や留学生が多いんでしょうかね?不思議です。
次に興味深い資料がこちら。
画像元:外務省海外在留邦人数調査統計統計表一覧
海外に行くのは男性。
という勝手なイメージがあると思います。実際私も男性の方が多いのではないかと思っていました。しかしこの資料をみるとそうでないことが明らかですね。
女性の海外生活者の方が多いんです!!
確かによく考えてみると、そうですよね。NGOで海外に行っている女性も多いですし、「世界の村で発見!こんなところに日本人」というテレビを見ても、日本人女性が出演している場合が多いですよね。私は台湾にいますが、台湾で働いている日本人女性も多いです。
先日とある日本のスーパーゼネコンの偉い方と話をする機会がありましたが、
「海外勤務希望者は女性の方が多い。仕事ができて且つ海外に視野を向けているのは女性。」
と言っていました。
ゆとりの草食系男子が多い昨今、もっともっとがんばってもらいたいですね。
最後に、海外在留邦人数上位50カ国を紹介します。
画像元:外務省海外在留邦人数調査統計統計表一覧
平成29年(2017年)においては台湾は13位で21,054人の日本人が台湾で生活しています。気になった点としては以前は増加傾向にありましたが、2017年には減少に転じています。
なぜでしょうかね?
うーん。考えられる点としては、LCCが増え交通の便が非常に良くなったので、台湾に住まずに日本を拠点として、日本ー台湾間を頻繁に行き来するようになった人が増えた可能性があります。実際、台湾で会社を設立し居留証を取得した上で台湾に住んでいる友人も、LCCの展開と共に拠点を日本に戻そうか考えていると言っていました。今年2018年に一体どのように推移しているかに注目ですね。
海外で仕事する際の心構え。成功の秘訣。
私もここ台湾で15年程生活し仕事していますが、海外で生活・仕事する際に必要になってくるのは
・異文化・異なる考えの許容
・言語の習得
・確固とした意志
・ユーモア
以上に尽きます。一つ一つ見ていきましょう。
異文化・異なる考えの許容
日本は基本的には単一文化・単一民族の国です。団結や協調そして「和」を非常に重んじます。これは良い面もありますが、悪い面もあります。
良い面は各自が「思いやり」をもって対応することで、無駄な争いを避け、目標に向かって全員で邁進する点です。
悪い面は見方が狭くなることです。「和」や協調性を重視するあまり、「出る杭は打たれる」という言葉があるように、素晴らしい才能や個性をもった人が力を発揮できない環境をつくってしまいます。また、すこしでも「和」を乱すものなら徹底的にたたき、陰湿ないじめや嫌がらせに発展することも多々あります。
おもしろいのは明らかに外見が異なる外国人がいたとして、その外国人が違う文化や考えを持っていても、「ああ、この人は外人だから」と割りすんなり受け入れることができますが、日本人で一般的な考えと違う考えを持っている人がいれば、その人の考えを非常に受け入れ難く感じる点です。
日本人は見た目で判断する傾向が非常に強いですね。単一民族国家なのでこれは仕方ないことです。私も同じです。
ただ、海外で生活するにはそんな見た目で判断するような傾向を完全に排除し、異文化を許容しなければストレスが溜まる一方です。海外では日本人でも日本的な考えを持った人が多いとは限りません。自分とは文化や考えが異なる人ばかりです。
「日本ではこうなのに」
「こんな考えはありえない、絶対間違ってる」
「こうあるべきだ」
そう感じる時が多々あると思います。そして注意したくなるかもしれません。ただ、海外で生活するにあたって、
自分の基準や考えが必ずしも正しいとは限らない
ということを肝に銘じておく必要があります。
「郷に入れば郷に従え」という言葉がありますが、全くその通りです。その国の文化やその国に住む人の考えを受け入れ、受け入れる必要があります。じゃないと精神的に崩壊してしまいます。
実際、こちらでなかなか文化や考えを受け入れることができずに、日本に帰国した人を私は何人も見てきました。台湾は日本と文化を共有する部分もあり、考え方も割と似ている部分があるにも関わらず、です。これが全く異なる文化圏の国で生活していればなおのことでしょう。
海外でストレスフリーに働くには、
「別にいいんじゃね?」
この考えが大事です。
細かいことは気にせずに「相手は相手、自分は自分」と思っておけばいいんです。自分の考えを押し付ける必要は全くないですし、そんなことすると嫌われて相手にされなくなります。
特に海外駐在で現地人の部下を従える日本人上司であれば、細かいことは気にせずに「別にいいんじゃね?」といった考えを持って、肩の力を抜いて業務に当たらないとやってられません。
マジメすぎるのはよくありません。異文化・異なる考えを持つ人を積極的に受け入れましょう。自分本位はNGです。
言語の習得
以前に「あなたに知ってもらいたい将来の事」という記事で語学の今後について少し書きました。5年後、遅くとも10年後には、自分が話したことばを瞬時に翻訳しスピーカーから流れるようなデバイスが出てくることでしょう。なので、通訳翻訳業が大ダメージを食らうと私は考えています。
この記事もみてください。
このブログをご覧になっていただいている方はもう聞き飽きたかもしれませんが、
言語は単なるツール(道具)にすぎません。
この言語というツールをうまく利用し付加価値をつけることで、ビジネスにしても、観光にしても、自分の可能性が一気に広がります。
前述したように、多言語翻訳デバイスが将来的には開発され発売されるので言語の習得なんか必要ないと思うかもしれません。確かに、単に生活やビジネスをするには時間とお金をかけて一生懸命勉強する必要はないかもしれませんね。
ただし、
人から尊敬され、人の心を鷲掴みにし、人を操るには、自分の口からその現地の言語を話す必要がある
と私は考えています。
特に人の心を掴むには、機器に頼らずに、自ら言語を習得することが不可欠です。
通訳者やスピーカーから流れる無機質な「音」で相手の心を揺さぶれると思いますか?一般的には難しいでしょう。
もしすでに著名で権威ある立場の人であれば、通訳者から発せられる言葉でも十分に心に訴えるパワーはあるかもしれません。
しかし我々一般人はそんなブランド力ありません。
通訳を通して自分が伝えたい内容を伝達はできますが、聞き手の心を掴むことはできないでしょう。
カルロス・ゴーンさんは肉声で社員に語り掛けるときや日本でスピーチする際は日本語を使うときもあります。もちろんローマ字を読んでいるだけかもしれませんが、日本人には日本語で伝えようと努力している姿がみてとれます。
現在シャープの社長を務める戴正吳さんも日本語を流ちょうに操り、記者会見の質問も日本語で受け答えしています。なぜホンハイのテリー・ゴウさんは彼を遣わしたんでしょうかね?もちろん能力があるというのは当たり前でしょうが、日本語が話せるというのが非常に大きな要素だと思います。外国人の外様大名が瞬時に社員の心を掴み、迅速に改革を進めるにはダイレクトで意思を伝えることができる人材が適切と判断したのでしょう。
ブランド力のある著名人ですら相手に合わせてその相手の言語で喋ろうとするんです。
皆さんも外国人が日本語を話すのを聞いて心を動かされたことはないでしょうか?
ありますよね。
外国に旅行に行ったとき、現地の人が日本語で話しかけてくれたり、片言の日本語で挨拶してくれた時、なんか嬉しい気持ちになりますよね。この気持ちは世界共通です。
外国人が自分の母国語とは違う、相手の言語で話すとき、聞き手の心に訴える力が増し加わります。
外国人が現地の言語を話すことで、
ポイント2倍になるんです。著名人なら2倍どころか3倍、10倍になるんです。
外国で日本人サッカー選手が大成しない原因は文化に馴染めないことと、言語を習得できないことにあるとよく言われています。
「〇〇選手は現地の言語を覚えようとせずコミュニケーションが取れないからスタメンから外さざるを得ない」
と行ったような報道をよく聞いたりします。
スポーツにしてもビジネスにしても、コミュニケーションをとる上で、言語というのは非常に大きなウェイトを占めます。
海外で成功し大成するにはやはり言語習得は不可避です。
たどたどしくても構いません。下手くそでも構いません。大事なのはその言語で自分の考えを相手に必死に伝えようとする姿勢です。
確固とした意志
海外で成功するには確固とした自分の意志を持たなければなりません。日和見主義であったり、事なかれ主義であったり、自分の意志がなく、意見を言わない人間は相手から尊敬されず、大成することはないでしょう。
上で述べた異文化・異なる考え方を許容することと矛盾してるのではないかと考えるかもしれませんが、そうではありません。相手の意見や考えを尊重しつつ、自分の意見や考えもしっかりと持っておかなければなりません。
何を言われても「NO」という頑固な考えはダメですが、自分の確固とした意志を相手に伝える必要があります。
相手の意見をよく聞いて尊重し、そのあとに「自分はこう思う」と伝えましょう。意見が違えば妥協点を見出せるよう徹底的に話し合えばいいんです。
アジアや中華圏の文化では年上の意見は絶対で、自分の意見を言えない、もしくは言いづらいことがあると思います。
しかし海外で一目置かれる存在になるためには、上下関係なく、自分の意見ははっきりと述べる必要があります。
賛成意見であれば「私も賛成です。なぜなら〇〇」と自分の考えも伝えた上で賛同するのが好ましいです。
反対意見があればはっきりと相手に伝える必要があります。
ただ、反対意見だけを頑なに主張するだけでは、海外でも「でしゃばり」とか「頑固者」と思われる場合もありますので、そこはうまい具合に立ち回らないとダメです。
うまく立ち回るスキルとしては
「〇〇さんの考えも、ものすごい良いポイントついてると思いますが、こういう方法も考えられないでしょうか?」
と相手の意見も褒め、そして空気を読みつつ自分の意見を述べるのがベストです。これも世界共通です。
そして引き際も肝心です。相手がどうしても譲らない場合は、自分の方から身を引くことも大事です。この辺はバランス感覚やセンスが関係してくるのでなかなか難しいところですが、そのセンスを磨くことも必要になります。簡単にいうと巷で言われる「コミュ力」を強化する必要があります。
何れにしても、海外で生活したり仕事するあたり、成功し一目置かれる存在になるには自分の意見をはっきりと相手に伝えることは非常に重要です。
ユーモア
ユーモアのセンスも大事です。緊張した職場や人間関係をユーモアによって和ませたりできれば、人気者になれます。成功への近道です。
もちろん外国でユーモアのセンスを発揮するには、まず自分にユーモアのセンスがあることが必須ですし、尚且つある程度の言語を理解し話せないとダメなので、かなり難易度の高いスキルです。
また、
ユーモアがある=心に余裕がある
ということですので、心に余裕を常に持たせるようにしないといけないですから、ストレスの溜まりやすい海外生活者にとってはこれまたハードルが高いですが、逆にユーモアを持ってギャグをかますくらいの心の余裕がなければ海外で長く活躍することはできないです。
確かにユーモアとは難しいスキルではありますが、たとえ難しくても、職場で人を笑わせる、その笑いの中にも知的センスを感じさせるユーモアであれば、もう職場の人間そして上司の心を掴んだも同然です。
中国語であれば、四字熟語(成語)やことわざを勉強し、ナイスタイミングでユーモアたっぷりにそれを披露するとたちまちヒーローになれます。
例えば、蛇足的な事をしている人や事象を見つけたら、
「脫褲子放屁tuo1 ku4 zi3 fang4 pi4」
とでも言えば周りは驚くはずです。
直訳すると少し下品ではありますが「ズボンを脱いでオナラをする」ということで、転じて「蛇足・別にあえてする必要のない無駄な事」という意味となります。
外国人の口から四字熟語やことわざが出るというのは、ハードルの高い、ハイレベルなスキルであるため「おお!お前すごいな!」と周りが一気に和み、同時に株が上がります。
デーブ・スペクターさんがよく日本語のことわざをもじったギャグ(ユーモア)をかましていますが、たとえ滑ったとしても(ほとんど滑ってますが)、とりあえず「おお、デーブすげえな」って思いますよね。
それと同じことです。
もちろん職場環境にもよるでしょうし、ギスギスした職場であればなかなかユーモアのセンスを発揮するのは難しいかもしれませんが、どんな人間であれ、笑うと元気が出ますし、ウケれば自分もそれによって幸せになりますよね。まさに「Win-Win」です。
海外でストレスフリーに生活し、周りから一目置かれる存在になるためには、常に心に余裕を持たせて、ユーモアでウィットに富んだ会話を心がけるようにしましょう。
終わりに
今回は「海外で仕事する際の心構え。」をテーマに、少し長文になりましたが私の経験を踏まえた上で記事を書いてみました。
もちろん私の考えが絶対ではないですし、他にももっと心がけるべき点があるかと思います。住む国によっても心構えも全く異なるでしょう。南米や治安の悪いところで仕事する際には上記よりも「安全」への心構えが大事だったりします。命あってこそ仕事ができますからね。
覚えておいていただきたい点として、私がこの記事で書いたのは海外で仕事する際の心構えであり、日本で仕事する際には当てはまるとは限りませんので、その点はご注意ください。
日本のビジネスシーンで上記を実践すると、相手にされず協調性のないやつと疎まれたり、外国かぶれと揶揄され干されたりするかもしれません。
日本は世界的にみても特異な文化を共有する国家ですから、「郷に入れば郷に従え」ということで、ビジネスシーンでも日本に合わせた対応が必要になります。「和」を大事にしつつ、やんわりと相手に敬意をもって自分の意見を述べる、というような尖りすぎない世渡り上手なスキルも必要になります。
日本も今後、単純労働者不足の解消を目的に、海外から多くの外国人が日本に住むことになります。また、海外からどんどん高度外国人材を招聘し、日本の企業や研究機関で働くような政策も制定されていますから、近い将来、日本国内でより一層グローバル化が進んでいきます。
その時、あなたはどうしますか?日本国内の会社でも周りは外国人で海外みたいな環境に置かれることになりかもしれません。
そのような時は是非とも
・異文化・異なる考えの許容
・言語の習得
・確固とした意志
・ユーモア
を心掛けるようにしてください。決して損はしません。
以上
台湾マスターでした。
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