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ダメ。ゼッタイ。臭豆腐の歴史とにおいの原因、そして作り方について。

ダメ。ゼッタイ。臭豆腐の歴史とにおいの原因、そして作り方について。

どーも!

5月も下旬に差し掛かろうとしておりますが、皆様、体調はいかがでしょうか?

こちら台湾では連日30度を超えており、エアコンをガンガンにつけています。夜もエアコンつけないと寝苦しいくらい大変暑いです。

でも、エアコンつければ寒いし、かといって消すと暑いしということで夜中に何度も起きています。

そんな寝不足気味の台湾マスターですが、今日は皆さんが毛嫌いする食べ物について、語ろうかと思います。

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臭豆腐についての個人的見解

皆さんは台湾観光に来る前、ある程度ネットや本で台湾について勉強しますよね?

台湾に旅行に行ったことがある人の話を聞いたりしますよね?

知らない国に行くなら当然若干の知識を頭に詰め込んでおきたいものです。

で、台湾について調査中に確実に見聞きするであろう食べ物、それには、

小籠包

マンゴーかき氷

タピオカミルクティー

などがあると思います。

そしていい評判を聞かない食べ物もあると思います。茶卵であったり、レストランで出される甘いお茶であったり。そしてあともう一つ、そうです、

臭豆腐です。

人間が食うものではないです。

「台湾のチーズ」

とか

「臭いけど美味しい」

とか

「一度食べたら病みつきになる」

とか

「目をつぶって鼻をつまんで食べれば最高に美味!」

とか呑気な事を言っちゃってる台湾人やコアな台湾マニアの日本人がいますが、

信じちゃいけませんよ。

もう一度いいます。何度もいいます。

人間が食うものではないです。

私も台湾人の友人に甘い言葉で騙され何度かチャレンジしたことがありますが、完食した試しがありません。

まず、あのどうしようもないにおい。たとえて言うならば、

・下水道が整備されていない不衛生なスラム街。

・夏場、外回りの仕事して帰宅後、風呂入るために脱いだ靴下。

・おなか壊してるときに不意にでた「お〇ら」。

などなど、うまく説明できない、なんともじれったいにおいです。

全自動空気清浄機が家にある家庭なら、臭豆腐を家に持ち帰った瞬間に即座に自動起動しちゃうレベルのにおいです。

「おっと、強敵があらわれたぜ。ご主人様を守らねば」

と本能的に自動起動するレベルなんです。

要するに人を不快にさせるにおいってことです。

納豆とか、くさやとかのレベルではないにおいです。

100m離れたところからでもその強烈なにおいに気づかずにはいられないにおいです。

犬の嗅覚は人の1億倍といわれていますが、

よく犬が即死しないものだ

と感心するくらいです。

2016年2月にJR関西線で異臭騒ぎが発生し1時間45分運転を見合わせるというとんでもない事件を引き起こしたテロ犯、それが「臭豆腐」です。

そんなキケンなものを美味しいと言って食べている人。そんな人にこう言いたいです。

無理しないでいいんですよ!

本当のこと言ってもいいんです!

素直になりましょうよ!

認めましょうよ!

そんなに言うほど美味しくないって。

百歩譲って食べたとしましょう。

でも決して目が飛び出るほど美味しい食べ物ではないですから。

揚げた臭豆腐はまだなんとか我慢して食べれますが、煮込んだ臭豆腐はもうあれです。

あかんやつです。

※ちなみに臭豆腐は主に2種類あって、「揚げたヤツ」と「煮込んだヤツ」があります。

前置きが少し長くなりましたが、まず臭豆腐の歴史について紹介しましょう。

 

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臭豆腐の歴史

これは本当かどうか確認できていない、あくまでも「都市伝説」です。そこんとこを踏まえて以下内容を読んでください。

昔、清朝の康熙の時代(1622年〜1722年)の北京の「前門」付近に延寿街という道があり、そこに王致和という商人がいたそうな。彼は豆腐店を経営していました。

ある夏の日のこと、息子の嫁探しのために一家総出で豆腐を一生懸命に作りました。たっくさん作りましたが、売れ行きが芳しくなく、なんと多数の売れ残りが出てしまいました。

夏なんで外は暑く、冷蔵庫なんかも当時はもちろんありません。夕方になり、豆腐が黄色くなり臭い出してきました。その時、王致和はハッと思い出しました。

「食べ物の保存期間を伸ばすにはタクアンのように塩につければいいと誰かが言っていた。もしかしたら豆腐も同じじゃないのかな?

それで大量の塩とともに山椒などの香料もいっしょに入れ、蓋をして使いの者に涼しい日陰に持っていくように命じました。

その後、店の裏側から独特な臭いが漂ってきました。臭いの元を確認しに行ったところ、なんと塩漬けにした豆腐が強烈な臭いを発していたのです。

青い塊と化した豆腐を口に運んだところ、なんとも言えない食べたことのない美味であったため、それをすぐに店頭で売り出したところ、クサいのに美味しいと話題になり、商売繁盛。

めでたしめでたし。

という事らしいです。まあ、これ以外にも他の言い伝えがあって、どれが本当だかよくわからないそうです。

で、ここで突っ込みたいのが、

・息子の嫁探しでなぜ一家総出で豆腐をたくさん作るのかね?

・王致和さん、よくもそんな臭くて青くなってる得体の知れないモノを食おうと思ったかね。

普通、ありえないですよね。青くなっちゃってるんですよ。しかも強烈な臭いを発している異物を口に運ぶなんて、

ちょっと何言ってるか分かんない。

ですよね。

まあ、逆を言えば、この人がそんなもん食っちゃって、美味しいとか嘘ついちゃったから、未だにあんな特に美味しくもない腐った食べ物が巷で売られてるんですよ。でもって、

JRの電車止めちゃうんですよ。

この人、有罪ですよね。

偽証罪とテロ幇助罪とかなんとか理由つけてしょっぴいちゃってくださいよ。マジで。まあ、すでにこの世にいませんからどうにもできないですが。

びっくりすることに、最近、アマゾンにて王致和さん秘伝の臭豆腐を見つけたので、気になる方は是非。罰ゲーム・パーティーのお供にどうぞ。

なぜそんなにクサいのか?

ここからは少し学術的な内容になるので、興味ない方は飛ばしてください。

まず、食物がなぜ臭くなるのか?この点から考えましょう。

食物にはタンパク質が含まれています。で、そのタンパク質がアミノ酸に分解されますが、そのアミノ酸は基本3つの経路を辿り最終的に腐敗作用をもつ「ラスボス」となり、悪臭を放ちだします。

1.脱炭酸反応

アミノ酸には分子中にカルボン酸とアミンがあり、脱炭酸にてカルボン酸が抜けるとアミンだけが残り、この残ったアミンが腐敗アミンとなり、悪臭が発生する。特にアミノ酸内のリシンという物質がカダベリンという腐敗アミンになった時、どうしようもない悪臭が発生する。

2.脱アミノ反応

アミンが脱離するとアンモニアが生成され、悪臭が発生する。いわゆるアンモニア臭ですね。

3.脱炭酸反応と脱アミノ反応のコラボ

アミノ酸の1つであるトリプトファンは上記2つのコラボ反応によってスカトールという動物のう●この臭いの元となる物質に変換される。

私は化学の先生でもなく、食物学の権威ではありませんので、詳しくは説明できませんが、ネットで調べまくったところ、上記の理由で

食物の腐敗が進み、悪臭を放つ

という結論に至りました。

で、

食物内にリシンが多く含まれれば含まれるほど、その分、脱炭酸反応によって超臭いカダベリンが増加し悪臭を放つようになるんです。

五穀類やアーモンド、ピーナッツ、とうもろこしなどはリシン含有率が低いため腐ったとしてもあまり悪臭を放つことはありません。

一方、肉・卵・乳製品そして「畑の肉」と呼ばれる大豆などはリシンが多く含まれているため、脱炭酸反応が起こると、耐え難い悪臭を放つようになります。

リシンの多い食物を摂取する量が多ければ多いほど、大便もそれに比例して臭くなります。

ちなみにリシン自体は必須アミノ酸であり、食品加工時にもよく利用されているのですが、それが脱炭酸反応を起こしてしまうと非常に厄介なものに変わってしまうんですね。

で、結論としてなぜ臭豆腐が臭いかというと、

必須アミノ酸であるリシンが多く含まれる大豆を原料に豆腐を作りますが、その豆腐内のリシンが脱炭酸反応によりカダベリンという腐敗アミンに変わってしまうことで、あの強烈で殺傷能力のあるにおいになってしまうんです。

臭豆腐の作り方

ここまできたら、もう作り方まで書いちゃおうと思います。

都市部でやっちゃうと通報されるリスクを伴いますので、できれば隣近所のいない田舎の方でやってください。

どんなことが発生しても、台湾マスターは一切の責任を負いません。

画像元:又臭又香?外國人最怕的臭豆腐,臭味哪裡來?

この出来上がった臭豆腐に片栗粉をつけて揚げれば、屋台などで見かける「揚げ臭豆腐」の出来上がりです。これに台湾の甘い醤油だれをつけて、お好みでキムチなどを挟んで召し上がれ。

って、まあ私は絶対に召し上がりませんが。

終わりに

台湾に観光に来て、一種の怖いもの見たさや好奇心で「臭豆腐」にチャレンジしようと思っている人も多いと思います。

そのチャレンジする精神は敬服に値します。素晴らしいです。

ただし、過度の期待は禁物ですよ。

「うわ、意外に美味しい!!」

なんて絶対なりませんからね。

以上

台湾マスターでした。

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