台湾のソーセージ(香腸)が甘い、甘すぎる。その歴史と作り方について。
どーもこんにちは。
台湾マスターです。
さて、このブログでは台湾のグルメについて、私の執筆意欲が湧き次第、書かせていただいてます。
上のおすすめ記事のタイトルを見ればわかるのですが、
基本的にこのブログで紹介している台湾のソウルフードについてはネガティブな意見しか書いていないです。
※もちろん、台湾には目ん玉が飛び出るくらいおいしい料理がたくさんありますが、そんな料理についてはネット上で語りつくされた感があるので、基本、私はPASSしています。
テーマにある通り、今回紹介する台湾のソーセージもネガティブな内容ですので、それを踏まえた上で読んでいただければと思います。
まあ、ネガティブな内容なくせに、このブログ定番の「歴史」と「作り方」も書かせていただきましたので、興味のある方は最後まで読んでいただければと思います。
ちなみに台湾ではソーセージのことを「香腸(シャンチャン/xiang1chang2 )」といいます。
香る腸。
なかなかいいネーミングですね。
まずは台湾のソーセージについて説明します。
台湾ソーセージの特徴
台湾のソーセージ。皆さんはご賞味されたこと、おありですか?
夜市とか屋台とかで売っているB級というかC級ソーセージから、高級中華レストランで出されるA級ソーセージまで、まあ種類は豊富にあります。
オーソドックスなやつはこんな感じ。
画像元:黑橋牌ホームページ
色味にちょっとビビってしまうグロいソーセージはこんな感じ。
画像元:黑橋牌ホームページ
とにかく、種類はたくさんありますが、台湾でよく見かけるのはこの2種類です。
共通する点として、
フォルムはものすごく美味しそう。
・見るだけでヨダレが出そうなレベル。
・夜市で見かけると、真っ先に買って食べてみようと思うレベル。
・レストランで出されたら何の疑いもなくすぐに箸で取って口に運びたくなる。
パーフェクトなフォルムだと思います。
しかし、それを口に入れた瞬間、予想を超える衝撃が待っています。
なんじゃこりゃ~!!!
ってなります。
少なくとも私はそうなりました。
なぜか?なぜ「なんじゃこりゃ~」と叫ばずにはいられないのか?
答えは簡単。
甘いからです。甘すぎるんです。
いつも日本で食しているあのソーセージの味と全く異なるからなんですね。
日本人的感覚からすると、
ソーセージと名乗っていいのかどうかも疑わしいレベルです。
ジューシーでほどよい塩っ気のあるドイツ系のソーセージを期待し口に入れた瞬間、甘い得体の知れない肉の塊が口内を支配する違和感。
ちょっとパニックになります。
台湾の甘いマヨネーズを食した時と似た感覚に襲われます。
この記事にも注目!!
とにかく食した瞬間、美味しいとか不味いとかのレベルを超越した衝撃に襲われます。
え、なんかおかしいぞ??
と思ってもう一口食べた瞬間。
あ、これアカンやつや。
ってなること請け合いです。口内テロとでも言っておきましょう。
そういう味だ、と知っていればまあ受け入れることも可能なんでしょうが、不意に襲われるあの甘さはテロですね。日本人としては美味しくないと感じると思います。
もちろん、
めっちゃうまいやん!!
って飛び上がって喜びを表現する人もいるかもしれませんが、マイノリティーでしょうね。
台湾ソーセージの歴史
私もこの記事を書くためにソーセージの歴史について少しかじったのですが、案外古くからソーセージというものは存在していたようです。
ウィキペディア情報によると、紀元前8世紀末のホメロスという人が書いた「オデュッセイア」という作品にソーセージが登場するそうです。ハムよりも古いというトリビアまで記載されていました。
ハムより古いからどうなのよ。
って思いましたが、まあそこは突っ込むところではないのですね。
で、実は中国にも昔からソーセージというものは存在していました。
西暦540年頃に成立したとされる「斉民要術」という世界農学史上最も早く書かれたとされる「農書」に、「灌腸法」というくだりがあり、そこではじめて中国ソーセージの作り方が記載されました。
「取羊盤腸,淨洗治。細剉羊肉,令如籠肉,細切葱白,鹽、豉汁、薑、椒末調和,令鹹淡適口,以灌腸。兩條夾而炙之。割食甚香美。」
引用元:齊民要術/卷第九
この記載によると、羊の腸と羊肉を使用しているので、ウインナーソーセージに似たものだったんでしょうね。
塩、ねぎ、生姜、スパイスと羊肉を混ぜ、羊の腸に詰めて炙り焼で食す。
と読み取れるので、若干のオリジナリティーこそあるものの、ヨーロッパ系のソーセージみたいなものだったようです。
めっちゃ美味しそうですね。
少なくとも今の台湾ソーセージみたいに甘くはなかったはずです。
なぜ台湾ソーセージはこの伝統的な美味そうなレシピを捨て、甘く不味いソーセージに発展してしまったのか?
私も色々調べましたが、なぜ今のような台湾ソーセージに発展したのか、確たる証拠を見つけ出すことができませんでした。
わかったことと言えば、
・19世紀半ばに中国のアモイ(廈門)からソーセージが台湾に伝わり、食されるようになった。
・当時のソーセージは保存の為に大量の塩が用いられており、しょっぱくて硬かった。
・1957年に創立された「黑橋牌食品」の創始者陳文輝氏が製造工程を改良し、大量の塩を使用しないでも保存できるソーセージを開発し、台湾ソーセージの礎を築いた。
という事でした。
この経緯からなぜ甘い味へと変遷してしまったのかは読み取れませんでしたが、有力なのは、
昔は値段が高くて希少だった砂糖を食品に加える事で、いわゆる「セレブ感」を出したかったからではないか?
という説です。
特に台湾の台南は昔、砂糖の集散地であったため、あらゆる料理に砂糖を加えて「セレブ感」を出すという伝統があり、今でもその名残か、台南料理全体が甘ったるく仕上がっています。
いずれにせよ、皆様に覚えておいていただきたいのは、
台湾のソーセージは味が甘いのでその魅惑のフォルムに騙されちゃだめですよ!!
ということです。
台湾ソーセージの作り方
台湾ソーセージを是非とも作って食してみたい!!
というチャレンジャーはいないでしょうが、今日は特別その作り方について書いておこうと思います。
材料
・新鮮な豚肉1㎏(脂肪含有量20~30%)
・豚(羊)の腸1.5m~2m
・氷水360㏄
・白酒(パイチュウ)3.2㏄
・砂糖55.6g
・生姜粉末適量
作り方
1.新鮮な豚肉を-4℃で冷凍した状態にし、挽肉機にて挽肉にする。挽肉機がなければスーパーで売っている挽肉で代替可能。
2.まず氷水+白酒+砂糖・生姜粉末を混ぜ、その後、それを豚の挽肉と混ぜ合わせる。「台湾ソーセージ感」をさらに引き立てたいのであれば、高粱酒(ガオリャン)や米酒(ミーチュウ)を適量加えてもよし。
3.直径22-24mmの的豚(羊)の腸に上記材料を専用の漏斗を利用し詰める。詰め終わったら腸の端を縛り、10~12センチ間隔で2,3回ねじってそれっぽく仕上げる。その後、腸の表面に小さい針で穴を開けて、加熱時の水と空気の逃げ道を作る。
4.調理する。
蒸す場合:ソーセージの中心温度が72℃に達するまで蒸す。蒸し時間は15分ほど。
焼く場合:食用油を鍋に入れ、中火で5~6分ほど表面が黄色く焦げるくらいまで焼く。
番外編:もし腸が入手できない場合は、上の材料にコーンスターチ80gほどを追加し、長さ8センチ、太さ8~10ミリくらいの餅状にして「4」と同じ要領で調理する。
終わりに
作り方まで書いちゃうと、なんか自分でも作ってみたい気になってきましたが、
おそらく不味いのでやめときます。
台湾ソーセージは本当にポピュラーな食べ物なので、どこでも売っています。
今度旅行に来る機会があれば、是非ご賞味あれ。
甘い食べ物なんだぞ!!と理解したうえで食べれば、案外イケるかもしれません。
以上
台湾マスターでした。
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