台湾の建設業界。日系ゼネコンとローカルゼネコン。
どーもこんにちは。
ワールドカップ開催中のためブログ更新が滞りがちな台湾マスターです。
さて、今回は台湾の建設業についてご紹介したいと思います。
日本は東京オリンピック開催が迫り、建設業界は好景気に沸いています。
台湾も色々な場所で土地開発が進んでいます。以前に「必見!注目の産業エリア。アップルとの関係は?」という記事でも紹介した新幹線桃園駅周辺エリアも現在大規模な開発がされており、水族館やホテル、そして高級マンションの建設が現在も続いています。
この記事もご参照ください。
台湾のゼネコン
建設業を取り巻く環境は4年程前に比べると少し落ち着きが見えて来ておりますが、不景気ではありません。日系ゼネコンも台湾ローカルのゼネコンも各地で頑張っています。
日系ゼネコン
台湾にも日系のゼネコンが多数進出しています。
スーパーゼネコンでは清水建設・鹿島建設・大成建設・大林組が台湾でも頑張っています。竹中工務店は台湾から撤退しており事務所を設けていません。※鹿島建設の現地法人名は「中鹿営造」です。
他にも「新ランドマーク!螺旋状の建築物「陶朱隱園」について。」で紹介した熊谷組、一度は会社更生法を適用した日本国土開発、大和ハウスのグループ企業であるフジタ、そして近年ではその親会社である大和ハウス、またパナホーム等が台湾に事務所を構え台湾における土地開発・建設を担っています。
この記事もご参照下さい
ゆえに、多くの日系ゼネコンの技術者が台湾に駐在したり、応援で台湾に一時滞在したり出張ベースで台湾に来たりされています。
彼ら曰く、日系ゼネコンと言えども、下請けは台湾ローカルの企業なので管理面で非常に苦労するそうです。以前に台湾で建設業の顧問をされている方とお話しする機会がありましたが、建築技術・工法や安全管理等のコアな部分は日本より10〜20年、へたすりゃ30年遅れていると嘆いていました。
実際私も仕事の関係で台湾の建設現場によく行きますが、日本ではありえない光景ばかりですね。
ヘルメット被ってない人。
安全靴履いてない人。
ビール飲んでる人。
ビンロウ(檳榔)噛んでる人。
維士比とか保力達Bとかいうアルコール度数10%を超える「栄養ドリンク」飲んでる人。
現場でトイレに行かず建設中の建物内で平気でおしっこやうんこする人。
こういった人をよく見ます。
そして、現場にはビール瓶、弁当容器、ペットボトル、檳榔、タバコ等のごみが散乱してます。最悪なことにコンクリ打設前の型枠内にもそういったごみがよく落ちているので、きちんと施主の方でごみのチェックをしないとそのままコンクリを流されます。
日本の現場しか知らない人が見れば卒倒するレベルでしょう。
こう言っちゃあなんなんですが、建設業に従事しているいわゆる「ブルーカラー」の方の民度が残念ながら極めて低いので、管理が非常に大変です。もちろんプロ意識を持ったキチンとした親方や作業者もいますが、台湾ローカルのゼネコンの現場で、その中でも特に大手ではない中小ローカルゼネコンの現場でプロフェッショナルな親方や作業者に出会う確率は極めて低いです。十中八九、ごみが散乱しており、ビ―ル飲んでる作業者を見かけます。
日系ゼネコンは台湾ローカルゼネコンに比べれば管理面では割としっかりしていますが、それでも日本国内の現場と比べればまだまだレベルは低いです。
台湾大手ゼネコン
画像引用元:「營造無力 公共工程能否帶來新轉機?」
2015年までの資料なので少し古いですが、大陸工程・中華工程・互助営造・遠雄営造は台湾において有名なゼネコンです。
大陸工程はもともとは1945年に中国で設立された建設会社です。国民党政府が台湾に「来た」ときに同じく本部を台湾に移した企業です。土木に強いゼネコンです。台灣高速鐵路股份有限公司(台湾新幹線)の大株主でしたが、2017年2月に持ち株の64,897,800株すべてを売却することを決定しています。台湾高鐵の株価が高値の時に売るとのことで、2017年の8月の時点ですでに58,573,000株を売却しています。残りについても2018年内か2019年には売却予定となっています。海外進出もしていますが、法制度の見解の違い等でインドにて巨額の赤字を抱え2017年にはインド、マレーシア、マカオから撤退の意向を示しています。
中華工程はもともと経済局所属の国営事業でしたが、1994年に民営化されました。もともとが国営事業であったため、現在も土木がメインの建設会社です。高速道路や空港の滑走路、MRT等を手掛けています。
互助営造は建築がメインのゼネコンです。伊藤豊雄設計の高雄にあるナショナルスタジアム、台北の世界貿易センター、中国の宮殿を模した高雄円山台飯店等を建設しています。工場建設や住宅関連、土木など守備範囲が非常に広いです。
遠雄営造は何かとお騒がせな建設会社で、贈賄の罪で創業者の趙藤雄が逮捕されたり、台北ドームの建設がとん挫したり、いろいろ問題を抱えている建設会社です。今後どうなるかに注目です。
終わりに
台湾の建物の施工品質は日本とは比べ物にならないくらい低いです。
見た目はよくできてる感じですが、内部や見えにくい部分、細部は非常に雑です。照明のスイッチがさかさまに取り付けられていたり、コーキングが汚かったり、塗装にむらがあったり、いずれにしても下請けの管理が非常に大変です。
台湾で地震が発生し、倒れたビルのコンクリ内に一斗缶が入っていたり、鉄筋の量が明らかに少なかったりする事象がありますが、個人的には「これはあり得るな」と納得してしまいます。
違法建築や瑕疵など、安全そのものに影響する建物は絶対に建ててはだめですが、見た目や安全面に影響しない部分については、小さなことには気にしない台湾ですから、日本の品質を求めるのは無理ですし酷なのかもしれません。
以上
台湾マスターでした。
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