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必見!注目の産業エリア。アップルとの関係は?

必見!注目の産業エリア。アップルとの関係は?

ど~も~

台湾マスターです。

今日は台湾経済を語るうえでマストな情報である、注目の産業エリアについて語ろうと思います。

新竹サイエンスパーク(新竹科學園區)

台湾に出張によく来る人は間違いなくここを知っているはずです。新竹サイエンスパークは台湾経済の神髄といっても過言ではない非常に重要なエリアです。「台湾シリコンバレー」とも呼ばれています。

メインは半導体産業です。TSMC、UMC、メディアテック、リアルテック等の世界的企業が入居してます。このエリアには理系トップレベルの「国立清華大学」、「国立交通大学」があり、卒業生の半数以上は新竹サイエンスパークへ就職するそうです。

現在12万人以上の人がこのエリアで働いています。以前に「あなたの知らない台湾ー平均月収編」にて台湾人の懐事情を紹介しました。

さて質問です。

台湾で一番所得の高いエリアはどこでしょうか?

インフラが整い、今では国際都市と化した首都「台北市」でしょうか?

違います。

正解は

新竹市です。

昨年2017年の労働部発表の統計資料をみると、新竹市の平均月給は54,779元で全国トップです。

次に新竹県の49,513元で、実は台北市は全国3位の43,711元ですなので、新竹市と台北市の平均月収の差は1万元以上もあります。

ちなみに台湾海峡に浮かぶ澎湖島の平均月収は台湾最下位の28,437元となっており、トップの新竹市とほぼ2倍の開きが出ています。

画像元:1例1休專區

台湾の高速道路を利用したことがある人ならわかると思いますが、中山高速道路を走って新竹に入るとハイテク企業が入居しているビルや、高層マンションが立ち並ぶ姿が見えます。

まだまだ建設中の高層マンションもたくさんあります。この地域は上述のように所得が高いため、セレブがたくさんいます。外車やスポーツカーが走っているのをよく見かけます。教育にも非常に力を入れており、学力も高いです。

この新竹サイエンスパークはハイテク産業転換への切り札として1970年代から始動した国家プロジェクトの中心であり、国から莫大な予算がふんだんにつぎ込まれています。半導体産業では世界をリードしていますので、今後も栄え続けることでしょう。

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龍潭(ロンタン)サイエンスパーク(龍潭科學園區)

ロンタンサイエンスパークに詳しい日本人はそんなにいないと思いますが、新竹サイエンスパークの流れを汲むハイテク産業エリアです。現在6,000人が働いており、10社が入居しています。

例えば液晶パネル製造大手の「友達光電/AUO」、タッチパネル材料製造の「明基材料/BenQマテリアル」、LED設計開発・製造の「晶元光電/エピスター」、ファウンドリの「台灣積體電路製造/TSMC」もこのエリアに工場を構えています。

超有名企業も入居するサイエンスパーク

アメリカの超有名企業も入居しています。どこだかわかりますか?なんと

アップルです。

あまり知られていませんがこのサイエンスパークには何と「アップル」の研究開発センターまでも入居しているんです!

実のところ、ロンタンサイエンスパークに入居している企業、アップルとの関りが深いんですね~。アップル向けにCPUを製造しているTSMCがいます。アップルからOLED技術グループ所属の50人を引き抜かれたAUOもいます。目的はなんでしょうか?もちろんOLED(有機EL)の自社開発でしょう。サムスンに頼らない体制を整えているのだと思います。

しかし、有機ELが将来的に爆発的に普及するかはまだまだ疑問です。焼き付けの問題も解決できていません。なので、今アップルは次世代技術であるマイクロLEDの研究を加速させているともっぱら噂されています。

マイクロLEDといえば、同じロンタンサイエンスパークに入居するエピスターですね。エピスターもマイクロLEDについては長年研究を続けており、日本でもニュースになりましたがアップルはエピスターとマイクロLEDの共同開発を進めているとされています。AUOもこれまたマイクロLEDの開発を進めています。

ご理解いただけましたでしょうか?

そうです、ここロンタンサイエンスパークはアップルの最先端技術開発を担う重要拠点なんですね。しかもここのアップルの建屋は元FBIの職員がセキュリティーを担当しているそうで、安全面でもばっちりガードされています。

またスタッフが出張の際は会社指定のホテルにしか泊まれず、しかも宿泊前にホテルの部屋に盗聴器等が仕掛けられていないか徹底的にチェックするようです。さすがアップルですね。だた、こんなにセキュリティーがガッチリしているのに新商品についていろいろ情報が漏れるのはなぜでしょうね?疑問です。

マイクロLED技術についてはサムスンも血眼になって開発を進めており、今年のCESには「The Wall」というマイクロLEDテレビを発表したため、開発合戦がますます加速しそうです。

今後もこのロンタンサイエンスパークは要チェックです。

※中国語が読める方はこの記事を参照してください。非常に興味深いです。

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新幹線桃園駅周辺エリア

そして今もっとも熱いエリアが新幹線桃園駅周辺エリアです。このエリアは桃園国際空港まで車で20分弱、空港MRTで17分です。台北へも車で40分、新幹線で20分と立地条件は抜群です。以前まで駅周辺は他の新幹線駅と一緒で何にもないただのだだっ広い土地でしたが、最近ではアウトレットもできて、盛り上がりを見せています。まだまだ空き家は目立ちますが、近辺には高層マンションが立ち並んでいます。まだまだ建設中のマンションもたくさんあります。

このような状況なので、最近では住宅価格が新北市や台北市より安く、交通の便もいいこともあり、桃園全体の転入超過数は全国トップとなっています。ここ3年は毎年平均して約3万人が桃園に転入しているのです。

そして見逃せないのが「八景島シーパラダイス」を運営する「横浜八景島」が2020年1月に「桃園水族館」をオープンさせることです。すでに工事は始まっています。また付近には台湾最大の「IKEA」が2021年にオープン予定となっています。近くにはホテルの建設も計画されています。

新幹線駅周辺で、尚且つ国際空港から20分弱の距離。これは盛り上がらないわけがないですね。アウトレットの拡張もまだまだ続いてますし、今後も本当に期待できるエリアです。

ちなみに去年の10月に桃園市主催の会議に出席する機会がありましたが、その会議の場で国内のみならず、海外、特に日本企業を積極的に誘致する計画があり、インフラ面や税制面での優遇が説明されていました。

また、立地条件の良さから、最近は新幹線桃園駅周辺エリアに多数の企業が進出してきており、とりわけ物流関連の企業が新たに進出したり、既存倉庫を拡張したりしているとも会議の席で紹介されていました。日本の「おやつカンパニー」の工場もこのエリアに2017年9月に進出を果たしてます。

このような状況から、新幹線桃園駅周辺はエリアは今後急速に発展すると予想されています。3年後には観光の新たなスポットとして、世界各国からの観光客が押し寄せてくるかもしれないですね。

まとめ

いかがでしたか?皆様のお役に立てる情報でしたでしょうか?台湾にはまだまだ紹介できる産業エリアやホットなエリアがたくさんあります。今後も紹介していく予定ですので、ご期待ください。

台湾マスターより。

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