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アップル製品受託生産に中国メーカー参入。ラックスシェア?

アップル製品受託生産に中国メーカー参入。ラックスシェア?

2019年3月5日追記、11月28日追記。

どーもこんにちは。

台湾マスターです。

今朝ニュースを見ていると、ちょっとビックリする経済ニュースを目にしたので、ご報告します。

それは、

アップル製品の受託生産(EMS)に中国メーカー参入

というものです。

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アップル製品を受託生産する台湾企業

台湾は世界でトップクラスの受託生産に特化した企業がたくさんあります。

一番有名なのはシャープを買収した鴻海(ホンハイ)ですね。2018年の売上高はなんと

5 兆 2,963.53 億元(約19兆円)

です。

日本で19兆円以上の売上高を誇る企業はトヨタしかありません。まさに台湾が世界に誇るマンモス企業です。ホンハイの直近1年の株価は冴えませんが、それでもきちんと儲けを出している優良企業です。

あと台湾で有名なEMS企業はというと、

ペガトロン(和碩)

ウィストロン(緯創)

コンパル(仁寶)

インベンテック(英業達)

クアンタ(廣達)

なかなか日本では聞くことの無い裏方に徹した企業ですが、業界で知らない人はいない超有名企業です。台湾経済を語るうえで外せない企業です。中でもウィストロンは積極的にインドに進出しており注目されています。

アップル製品の組立工場

アップルには魅力的な製品がたくさんありますね。実はそのほとんどが台湾のEMS企業によって組立製造されています。

しかし

最近では中国企業も参入を果たしています。下の製品毎の組立製造業者を見て、見慣れない名前の企業を見つけてみてください。

iPhone:ホンハイ、ウィストロン、ペガトロン

HomePod:インベンテック

AirPods:インベンテック、ラックスシェア

AirPodsPro:ラックスシェア(2019年11月28日現在)

MacBook Air/Pro:ホンハイ、クアンタ

iPad:ホンハイ、コンパル

Apple Watch:コンパル、クアンタ

わかりましたか?

そうです、その中国企業とは

という企業です。

正式名称はラックスシェア・アイシーティー(立訊精密工業股份有限公司)です。

ケーブル、コネクタ等を製造する中国企業ですが、現在ではAirPodsも組立製造しています。

ラックスシェアがApple Watch組立製造に参入!?

アップルウォッチは去年2018年に第4世代が発売され、安定の人気を誇っています。

上にある通り、クアンタ・コンピュータはアップルウォッチの製造を請け負っています。

第1世代からずっとアップルウォッチの組立製造を請け負っており、現在も全体の8割~9割の製造を請け負っているとされています。残りの1割強はコンパルが製造しています。

しかし、報道によると、今年2019年下半期発売予定の新世代アップルウォッチの組立製造に

中国のラックスシェアと台湾のインベンテックも参入する

とされています。

これは、一極集中の生産を避けたいアップルと、レッドオーシャン脱却を目指すクアンタの両社の利害が一致した結果ではないかと私は考えています。

製造業に従事している人ならよくわかると思いますが、

ベンダーが多ければ多いほどリスクは低くなり、競争原理も相まって発注する側にとっては基本的にプラスに働きます。

なので、アップルにとってもクアンタに依存しすぎないというのはメリットのあることです。

一方、クアンタもEMSというレッドオーシャン分野からの脱却を目指しており、今後はAIの分野に注力する決意を固めています。

なので、現在クアンタの受け持つ8割~9割のアップルウォッチの製造を、ラックスシェアインベンテックに「おすそ分け」するんじゃなかろうかと、予測されています。

アップルウォッチの製造は部品も小さいため、他のアップル製品に比べ組立が難しく、製造のオートメーション化にも限界があるとされていますが、現時点でインベンテックもラックスシェアも共にAirPodsという小さなイヤホンを製造していますので、アップルウォッチの製造も難なくこなせるのではないでしょうか。

(追記)

2019年3月5日の台湾での報道によると、EMS大手のペガトロンが子会社を通じてラックスシェア株を台湾元で25億元を投じて2,772万株を取得したとのこと。2013年にも400万株を取得しているため、現在合計で3,240万株ほどを保有していることになり、これはラックスシェアの発行済み株式の0.79%を占めるようです。

ライバルも目をつけている企業ということですね。今後にも注目です。

(追記2)

本日2019年11月28日付の日経新聞にラックスシェアがアップルのAir Pods Proを独占受注しているとの記事が掲載されました。影響力が半端なくなってきましたね。

 

終わりに

EMSも変革の時期を迎えています。

中国の人件費が上がり、また米中貿易戦争の影響もあるためか、昨年から台湾EMS企業も脱中国を進めています。上でも書きましたがウィストロンはインドに積極的に投資しています。ペガトロンも3億USドルを投資しインドネシアでの生産を計画していますし、同時にベトナム進出に向けて動いています。

今後、アップル製品の組立製造については中国EMS企業も増えていくでしょうし、また、中国以外の場所で生産が始まることでしょう。

以上

台湾マスターでした。