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無念!自転車シェアリング「V BIKES」撤退決定。

無念!自転車シェアリング「V BIKES」撤退決定。

画像元:V BIKES公式ホームページ 

ど〜も〜!

最近時速12キロで3キロを余裕で走れるようになりました。

運動バカの台湾マスターです。

さてさて、前回「最新版!台湾の自転車シェアリング、YouBikeについて。」の記事で台湾の自転車シェアリング大手のYouBikeを紹介しました。自転車製造大国の台湾では自転車シェアリングが軌道に乗り、今後も成長が続くのではと思われていた矢先の2018年4月16日(月曜日)、非常に残念なニュースが流れました。

アメリカ発の自転車シェアリング「V BIKES」が台湾からの撤退を決定しました。

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V BIKESとは

アメリカのダラス発の民間自転車シェアリングサービスで、2017年8月に台湾の宜蘭に進出しました。

なぜ宜蘭に進出したかというと、温泉があったり、風光明媚な海岸線があったりと観光資源が豊富で、尚且つ首都台北からも高速で1時間程の距離ということで、最近では観光地として人気のエリアだからです。この場所で始めれば強力な競合相手である「YouBike」がいないから勝機があると思ったんでしょう。しかし残念ながら、シンガポール発の同じく民間の「oBike」が2017年5月に先に宜蘭に進出してしまったんですね。

その後V BIKESは2017年9月に高雄にも進出を果たしました。

V BIKESの特徴

自転車自体にGPSが内蔵されており、「バーチャルステーション」と呼ばれる専用エリアにのみ自転車を乗り捨てることができるシステムとなっており、固定ステーションのあるYouBikeとは異なる運営方式を採用しています。専用アプリにより解錠し利用します。スマホがないと話にならないですね。

画像元:V BIKES公式フェイスブック

利用料金

デポジット不要。

10元/30分

非常に良心的な値段です。

なぜ撤退するのか?

ネットの新聞記事によると2018年の旧正月後には社内で撤退を決定しており、3月にはアメリカ本社も承認したと書いていました。

撤退理由は

  1. 台湾政府の自転車シェアリングの法整備の遅れ
  2. 地方自治体の支持が得られず、風当たりが強かった
  3. 同業の民間企業「oBike」が厳しく締め上げられビビった

以上が主たる理由です。

撤退時期

2018年6月完全撤退するとのことで、宜蘭に投入した180台と高雄に投入した100台も「ドナドナ」されることになりました。

すでにチャージしたお金については返金に応じるということです。

良心的ですね。

進出後1年待たずに完全撤退。潔いですね。

立つ鳥跡を濁さず。見事な散り方です。

ちなみに台湾撤退後は東南アジアへの進出を模索するそうです。

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撤退の真相

固定ステーションを持たない、この手の乗り捨て自由な自転車シェアリングサービスは利用車のモラルが高くないと成功は難しいです。(V BIKEは一応バーチャルステーションという意味不明な指定乗り捨て場所はありますが。。。)

台北で急成長していると豪語している、ステーションを持たない乗り捨て自由な「oBike」も問題は山積みです。あちこちで違法な場所に乗り捨てられ、地方自治体からこっぴどく締め上げられていました。今も根本的な問題は解決しておらず、地方自治体から睨まれています。実際、桃園エリアでは「oBike」の乗り捨てが禁止されており、今後も桃園エリアでの「oBike」の導入はまずないでしょう。

「oBike」の記事もそのうち書きますが、違法な場所に乗り捨てられた自転車の処理が大変で、住民からの苦情もひどいようです。

比較的モラルの高い日本でもこの方式の自転車シェアリングサービスの導入は難しいでしょうね。住民からのクレームに企業が耐えられなくなると思います。

終わりに

2018年の2月に宜蘭に遊びに行きましたが、見慣れない銀色のシャレオツな自転車を乗っている人たちがたくさんいました。今思えば、あれが「V BIKES」だったんですね。デザインがかっこよかったので撤退は非常に残念ですが、「YouBike」の牙城を崩すのは非常に厳しいと思います。なんてったって政府がバックについてますからね。余程のメリットと根回しがない限り、純民間企業がこの分野で成功するのは難しいでしょう。

その中でも「oBike」はグングン成長してるらしいので、今後に注目です。

以上

台湾マスターでした。

シェアリングエコノミーについてはこちらで勉強しましょう!!

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