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【台湾・中国語】知っておきたい時事問題で使える中国語の単語。

【台湾・中国語】知っておきたい時事問題で使える中国語の単語。

どーもこんにちは。

台湾マスターです。

今日は時事問題で使える中国語について書こうと思います。

台湾で中国語のニュースを見ていると、日本のニュースも頻繁に見聞きします。

で、先日、台湾のニュース番組を見ていて、日本で発生した出来事を中国語で聞いてみると、以外と聞いたことのない知らない単語がありました。

特に時事問題系の中国語。

これはぶっちゃけ知らない単語がありました。

なぜか?

それは時代の流れと共に、新しい単語がどんどん誕生し、特に時事問題で出てくる単語というのはこの新しい単語が使用されることが多いからです。

で、こういう時事問題の単語というのは正規の中国語学習ではなかなか勉強することもないですし、使っている教科書が10年以上前の古い教書であればそもそも「新語」は出て来ないです。

台湾の場合は日本の時事問題をよくニュースで流していますので、日本で誕生した「新語」を中国語の単語でどのように表現するのか?

これは非常に興味深いですし、勉強になります。

では、そんな時事問題でよく出てくる中国語の単語を見てみましょう。

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引きこもり=繭居族

2019年5月に川崎で発生した通り魔事件。そしてその後に起こった元農水事務次官による事件。

これらの事件が起こってから最近また注目されている言葉。

それが

引きこもり

です。

部屋から出てこず、家族や世間との接触を断っている状況引きこもりといいますが、台湾における中国語もこの状況を上手く形容できています。

台湾では引きこもりのことを最近では「繭居族」と表現します。

繭居族(jian3ju1zu2/ジエン・ジュー・ズゥー)

繭に居る族。

最近ではなかなか「繭」を見ることもないでしょうが、私より10歳ほど上の先輩方は小学校の授業で「蚕(カイコ)」を育てたことがあるようで、実際に「繭(まゆ)」を見たことがあるそうですね。

イモ虫のような蚕が繭を作ってその中で蛹(サナギ)となります。これは外敵から身を守るための手段なんですね。そして最終的にはその繭から成虫となった蛾(ガ)が出てきます。

なので、蚕は繭の中で一時的に引きこもるんですね。

そんな引きこもりの状況を言い表した「繭居族」。

台湾人の友人に聞いたところ、「引きこもり」は台湾では社会問題化はしておらず、日本の引きこもり問題が台湾メディアで注目され、「繭居族」という言葉が使われ始めたという事でした。

ちなみに「繭居族」というのはアメリカのコンサルタントのフェイス・ポップコーンさんが提唱した文化トレンド「Cocooning」という言葉に由来します。繭(Cocoon)のように自分の殻に閉じこもる、ということですね。

引きこもりをもっと硬い言葉で表現すると「隱蔽人士(yin3bi4ren2shi4 )」と言って直訳すれば「隠れてる人」という意味ですが、「繭居族」のほうがしっくりきますね。

ニート=尼特族

次に紹介するのが、15年程前からニュース等でよく聞く単語、

ニート。

ニートは英語のNEET(Not in Education, Employment or Training)から来ています。日本語では若年無業者とも言いますね。

若者が家事も仕事もせずブラブラしており、経済的には親に頼っているという状態ですね。

中国語では英語のNEETという発音をそのまま漢字で当て字にしたもので「尼特族」といいます。

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尼特族(ni2te4zu2 /ニィ・タ・ズゥー)

尼さんに特化した族という意味ではなく、完全にNEETという英語の発音を漢字で表記したものです。

ちなみに仕事はしてないが親の遺産や不動産収入、株式投資などで収入のあるニート、いわゆるネオ・ニートは中国語では「新尼特族」と言います。

オタク=御宅族

日本独特の文化ともいえそうな「オタク」。

ある特定の分野、とりわけアニメや模型などの非学術的分野にものすごく詳しく、社交性があまりない人をイメージする単語ですね。

中国語では「オタク」をそのまま漢字に直して「御宅族」と言います。

御宅族(yu4zhai2zu1/ユゥ・ジャイ・ズゥー)

日本のアニメの影響からか、台湾にもたくさん「オタク」がいます。コスプレ文化もあります。なので、「御宅族」はかなりよく聞く単語となっています。

この「御宅族」から派生して台湾でよく見聞きするのが「宅男」「宅女」です。

宅男と宅女

上述の通り、オタク(御宅族)は特定の分野に異常に詳しい人たちを意味していますが、

宅男(zhai2nan2/ジャイ・ナン )と宅女(zhai2nv3/ジャイ・ニュ)はどちらかといえば「引きこもり」に近い言葉として台湾では使用されています。

宅男は家にいるのを好む出不精人付き合いの苦手な男性を指し、宅女はそのような女性を指します。

特に家から外出することもなく、ネットばかりやっている服装に無頓着な人を揶揄して使われる言葉です。

繭居族(引きこもり)・御宅族(オタク)・宅男(女)を数式で表すと、

繭居族≒宅男(女)

繭居族≠御宅族

御宅族宅男(女)

引きこもりの程度を数式で表すと、

繭居族>宅男(女)

ということになります。

私は基本的に家に居るのが大好きで、外出したくない性格なのである意味立派な「宅男」です。

ハラスメント=騷擾

昨今、本当にありとあらゆる色々な「ハラスメント(嫌がらせ)」が社会問題になってますよね。

主に職場内で発生する問題であり、上司たるもの、十分気を付けて部下に接しないとダメです。

で、

中国語でハラスメントは「騷擾」と言います。

騷擾(sao1rao3/サオ・ラオ)

各種ハラスメント行為の中国語を見ていきましょう。

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セクハラ=性騷擾

セクシュアル・ハラスメントは、日本でもかなり前から問題になっていますね。

台湾にも「性騷擾防治法」という法律が2005年に制定されており、セクハラは立派な犯罪であり刑事責任を負うことになります。

このセクハラを中国語では「性騷擾」と言います。

性騷擾(xing4sao1rao3/シン・サオ・ラオ)

言葉にせよ何にせよ、決してやってはいけない行為ですね。

パワハラ=職權騷擾/職場霸凌

体育会系の職場で多く発生するのがパワハラです。

上司が部下に怒鳴る、殴る、嫌がらせ行為を行う等のパワーハラスメント。

「指導」との線引きが難しい部分ではありますが、部下が「パワハラ」と感じればそれは立派なパワハラということになりますから、上司たるもの決して「カッ」とならずに、冷静に部下を教え諭さなければなりませんね。

中国語ではパワハラを「職權騷擾」とか「職場霸凌」と言います。

職權騷擾(zhi2quan2sao1rao3/ジィ・チュエン・サオ・ラオ)

職場霸凌(zhi2chang3ba4ling2 /ジィ・チャン・バァ・リン)

台湾でも社内でのパワハラ問題はよく発生しています。ブラックな会社が多いのも事実です。

でも日本のように

何が何でも同じ会社に留まるんだ!耐えるんだ!

というような精神論的な考えはなく、問題があればあっさり辞めて次の職を探す人が多いです。ジョブホッピングの文化ですからね。

いずれにしても、パワハラはいけません。

アルハラ=酒精騷擾

10年ほど前から特に問題視されてるアルコールハラスメント問題。

上司や先輩からの

イッキ!イッキ!イッキ!」

という掛け声の下、飲めない酒をほぼ強制的に飲まされるハラスメント行為ですね。体育会系の団体にて多く発生する問題です。

中国語では「酒精騷擾」と訳したりしますが、そこまでよく使用される中国語ではなくて、単に日本の「アルハラ」を直訳したものです。

酒精騷擾(jiuj3jing1sao1rao3/ジゥ・ジン・サオ・ラオ)

台湾で日本の時事ニュースが流れる時に見かける言葉であって、日本の事情に詳しくない人が「酒精騷擾」と聞いても、

え?どういう意味?なんのこと?

ってなると思います。

台湾では接待はありますが、いわゆる「飲みニケーション」みたいなものはほぼなくて、会社の同僚や上司に半ば強引に誘われて飲みに行く、というような機会はほぼないといっても過言ではありません。

あるとしたら日系企業です

台湾人は飲むとしても友達同士や家族で食事をしながら楽しく飲む、というスタンスであり、アルハラのような強制的に飲めない酒を飲まされるというようなシーンはそんなにないです。もちろん「アウトロー」な社交の場ではそういうハラスメント行為はあるでしょうが。。。

いずれにしても、飲めない人からすれば本当に嫌な行為ですよね。

ゆとり世代=寬鬆世代

寬鬆世代(kuan1song1shi4dai4/クアン・ソン・スー・ダイ)

ゆとり世代という言葉もよく時事ニュース等で出てきますよね。

マイペースでメンタルが弱いと言われる「ゆとり世代」。

何かにつけて

「これだからゆとりはな~」

って揶揄され、嫌な思いをしている平成生まれの「ゆとり世代」の方も多いんじゃないでしょうか? 

中国語で「ゆとり世代」は「寬鬆世代」と言います。

ただ、これは日本語を直訳したものであるため、上記同様、日本に詳しくない人から見たら

寬鬆世代って何?

ってなります。

じゃあ台湾にはいわゆる「ゆとり世代」に相当する単語はないかというと、

実はあります!!

草莓族っていいます。

草莓族とは?

草莓族(cao3mei2zu2/ツァオ・メイ・ズゥー)

「草莓」とは中国語でイチゴを意味する単語です。

なので、「草莓族」は「イチゴ族」っていうことです。

イチゴというのは柔らかくて、ぶつけるとすぐ傷んでしまう果物ですよね。

そういうことから、

台湾では打たれ弱い豆腐メンタルな個人主義的な若者を揶揄して「草莓族」

といいます。

主として民国70年(1981年)以降に生まれた世代を指します。

日本のゆとり世代とほぼ同義語と考えて差し支えないです。

ゆとり世代≒草莓族

こういう数式が成り立ちます。

割とよく見聞きする単語ですので覚えておきましょう。

終わりに

言語というのは本当に面白いもので、時代の流れと共に、どんどん新しい単語が誕生します。

中国語も例外ではなく、外来語から派生した単語や、若者が使いだしたネットスラング等、日々新しい単語が誕生しています。

よりディープな台湾文化や中国文化を理解したい人は、こういった時事問題で出てくるような新出単語を勉強するのもいいと思いますよ。

私も引き続き時代に置いてけぼりにされないように、日々新たな知識・単語を習得していこうと思います。

以上

台湾マスターでした。