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人種のるつぼ。台湾の外国人労働者について。職種、給与は?

人種のるつぼ。台湾の外国人労働者について。職種、給与は?

どーも!

今日は蒸し暑いですね。

天パの髪がうねりだしてる台湾マスターです。

さて、台湾に旅行にきて気づいた方もおられるかもしれませんが、台湾は

外国人労働者がものすごい多いです。

週末の北部の都市の駅に行くとものすごい数の東南アジア系の方を見かけます。とくに週末に桃園駅や中レキ駅周辺にいくと、8割は東南アジア系の人で構成されています。

嘘ではなく本当です。

まあ、私もこちらで働いているのでれっきとした外国人労働者ですね。

自分が台湾にいるのを忘れてしまうくらいです。

今回は外国人労働者(単純労働従事者)について掘り下げていこうと思います。

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外国人労働者について

多方面でグローバル化が進んでいる今、単純に皮膚の色や話す言語だけで国籍を分けることは難しくなりましたね。アメリカは顕著な例で「人種のるつぼ」という表現がぴったりです。最近では人種的文化的背景が原因でいろいろな問題が噴出し社会問題にもなっているようですが、今後はどこの国も同じような問題に直面するはずです。

日本もそうですよね。どんどん外国人労働者が増えています。深夜のコンビニの店員であったり、空港のバスターミナルで働いている人であったり、外国籍の方を見る機会が多くなってきましたね。台湾でも冒頭で述べた通り、あちこちで東南アジア出身の方を見かけます。

台湾と日本の外国人労働者数

台湾には外国人労働者が多いって言ってますが、具体的な数字がないと本当に多いのか、多い気がするだけなのか、わからないですよね?なので、台湾の統計を調べてみました。

統計によると台湾には2017年の時点で

676,142人の外国人労働者がいます。

※台湾の先住民は559,426人なので、すでに先住民より多くの外国人労働者が台湾にいることになりますね。

では、人口比ではどうなのか?

台湾の人口は約2,300万人なので、

34人に1人は外国人労働者ということになります。

では日本と比べてどうなのか?

日本の厚生労働省の発表によると日本には現在128万人の外国人労働者が日本で働いています。

日本の人口は1億2,700万人なので、

約100人に1人が外国人労働者という計算になります。

これではっきりしましたね。

人口比率で言うと日本の3倍もの外国人労働者が台湾で働いています。

国籍別外国人労働者数

台湾においては東南アジア系の人をよく見かけるといいましたが、どこの国から来ている人が多いのでしょうかね?調べてみました。下の図をみてください。

画像元:用數據看台灣のホームページ

1位インドネシア(約25万人)

2位ベトナム(約20万人)

3位フィリピン(約15万人)

4位タイ(約6万人)

という結果になっています。

インドネシア人については、25万人のうち18万人が介護要員として台湾で働いています。ほとんどの場合、家庭に入って住み込みで高齢のおじいちゃん、おばあちゃんの世話をしています。法律上高齢者の介護のみの仕事ですが、中には犬の散歩をさせられたり、買い物に行かされたり料理をつくらされたり、掃除させられたりと、「お手伝いさん」的な、最悪の場合「奴隷」のような扱いをうけている方も多く、時折ニュースになっています。

では、日本ではどうでしょうか?日経新聞のネット記事を見たところ、

1位中国(約37万人)

2位ベトナム(約24万人)

3位フィリピン(約15万人)

となっていました。

ベトナムとフィリピンについては日本でも上位にきていますね。

まあ、東南アジア各国は外貨を稼ぐ「国策」として海外への出稼ぎを推奨してますから当然といえば当然の結果でしょうかね。

 

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台湾の外国人労働者が従事する職業(単純労働)

台湾の労働局(厚生労働省)が定める外国人労働者が従事できる職業は以下と定められています。基本は単純労働に限られています。いわゆるブルーカラーの仕事となります。

1.介護要員(社会福祉関連)

2.製造業

3.建設業

4.遠洋漁業

5.屠殺業

台湾の統計によると全外国人労働者のうち、3分の2がほぼ製造業に従事しており、3分の1は社会福祉関連(高齢者介護)の仕事で台湾で働いています。

職業の調査をしてて興味深かったことは、台湾でも「きたない、キケン、きつい」の職業が「3K」と呼ばれています。

台湾では「3K行業(hang2 ye4)」と呼ばれています。もちろん日本語由来の外来語です。

で、この3Kの仕事(特に製造業)に就いている外国人労働者が台湾には40万人程います。

下の図は3K製造業に従事している外国人労働者数と製造業の需要を表したグラフです。

画像元:用數據看台灣のホームページ

製造業においては、今でも8万5千人ほどの人手が足りていないという統計がでています。

確かに、私も仕事柄面接も担当しますし、リクルート関連のニュースもよく見ますが、明らかに製造業は人気がありませんね。

以前に台湾南部にあるプレス成型の協力業者を訪ね、いろいろ話を聞きましたしが、やはり全然人手が足りないようで、月給4万元以上(日本円で約14万)で求人広告を出しても全然応募が来ないそうです。サービス業は3万元程(日本円で約10万円)しか給与がでないので、それよりもはるかにいい好待遇であるにもかかわらず人気がない、と嘆いていました。

建設業についても、外国人労働者の数が増えています。私の職場の近くで最近新工場の建設が始まりましたが、インド系の人、そしてやはり東南アジア系の人が鉄筋組んだりコンクリ流したりしてますね。それ以外では台湾の先住民が多く働いている印象です。

台湾人で建設現場で働きたい人が少ないんでしょうね。

同僚とも話してましたが、今の若者は給与が安くともエアコンの効いたオフィスでスマホをいじりながら仕事をできる環境が人気だとのことです。

単純労働従事者の需要がまだまだあるにもかかわらず、それを満たす人材が見つからない現在、今後も外国人労働者がこの分野を担っていくことでしょう。

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台湾の外国人労働者の出稼ぎ有効期間

台湾の「就業服務法第52条」には台湾における出稼ぎ労働有効期間は

12年を越えてはならない

と定められています。

ただし、介護要員については条件次第で14年まで延長できます。「ポイント制度」を採用しており、介護スキルを証明する資格であったり、言語能力(中国語、台湾語、客家語等)であったり、介護年数であったりをポイント化して60ポイント以上あれば最大で14年まで延長できます。

台湾の外国人労働者の給与

これは結構気になる人も多いと思います。下の図をご覧下さい。

引用元:東南亞集團

台湾の定める最低賃金以上の給与が規定されています。手取りで2万元から2万5千元(日本円で7万~8万5千円)くらいでしょう。

知り合いが台湾の外国人労働者事情に詳しくて、いろいろ話を聞きましたが、稼いだお金を本国に送金せず、1ヶ月で全部使ってしまう人がめちゃくちゃ多いそうです。

逆を言えば外国人労働者の購買意欲が非常に高いため、台湾においては彼らをターゲットにしたビジネスも増えてきてます。実際、桃園駅や中レキ駅の周りには東南アジア系のスーパーやレストランが乱立しています。ブランドの服を着た人やiPhone持ってネットサーフィンしている人をよく見かけますね。

友人曰く、月末になると駅周辺エリアでショッピングする外国人労働者の割合が減少するそうです。

月末にはお金を使い果たしてしまってるんですね。

稼いだ分だけ全部使う。

豪快ですね!!

終わりに

台湾には67万人以上の外国人労働者がおり、人口比率的には日本の3倍ということでした。台湾は日本みたいに単一言語・民族ではなく、文化や言語の異なる先住民や戦前から台湾にいる本省人、戦後中国から逃れてきた外省人、そして客家人が以前からいたため外国人の受け入れという点では日本より進んでいます。

もちろん今でも差別等の問題はありますが、私が観察する限り共存体制がすでに構築されていますね。

お互いの文化を認め合い、一緒に生活する。これは本当に素晴らしいことだと思います。

日本も高齢化が進み、介護要員不足の問題であったり、単純労働従事者不足の問題があるため、今後どんどん外国人労働者が増えていくと予想されます。制度の構築などが遅れており、今すぐに増える、というわけではなさそうですが、いずれ台湾のようにアジア出身の人を各地で見かけるようになるでしょう。

その時、あなたはどうしますか?

拒絶するのか。あるいは日本の文化に馴染めるよう積極的に助け、援助するのか。

選択を迫られる時が来ようとしています。

以上

台湾マスターでした。

↓↓この本も読んでみましょう!

 

 

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